-
2月1日早朝、ミャンマー最後の戦争が始まった。
¥2,200
〈漫画で知るミャンマーの軍事クーデターと民衆の闘いのリアル〉 2021年に起きて現在も続いているミャンマーのクーデターを、フランスのジャーナリストと台湾で注目されている若手漫画家がタッグを組んで繊細かつ力強い筆致で描き、世界各地の人々の心を動かした作品です。訳者による解説と年表、各地の在日ミャンマー人から寄せられたコメント付き。 脚本 フレデリック・ドゥボミ 作画 ラウ・クォンシン 翻訳 ナンミャケーカイン 2024年10月刊 B5判/並製/116頁 本体2000円+税〔税込2200円〕 ISBN 978-4-909281-63-0 C0931 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 日本の読者のみなさんへ キーワード #歴史は繰り返す #自由の味 #立ち上がれ #ミルクティー同盟 #チェーズン #テロリスト #国境地帯での弾圧 #団結 #孤軍奮闘1 #孤軍奮闘2 #Everything Will Be OK 参考資料 年表 最後の闘いは日本でも——在日ミャンマー人の方々からメッセージ —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 脚本 フレデリック・ドゥボミ 1975年生まれ。パリの郊外出身。2006年よりInfo Birmanie、Euro Burma Networkなど、ミャンマー民主化運動を支持する組織に所属し、広報・支援活動を始めた。執筆したミャンマー情勢に関する書籍、漫画は十数冊に及び、ルワンダ・ツチ族に対する民族浄化問題に関する著作も発表している。 作画 ラウ・クォンシン 香港生まれ。幼少期を京都で過ごす。9歳で家族とともに中国に渡るも、1年足らずで香港に戻る。香港中文大学で芸術を専攻し、2019年に民主化運動が激化するとデモに参加し、警察に立ち向かう市民を描いたが、2020年に反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法の成立を受け、台湾へ移住した。主な漫画作品に、香港の民主化運動を描いた『被消失的香港』、1970年代の台湾民主化運動における女性差別を描いた小説をコミカライズした『北港香爐人人插』がある。 翻訳 ナンミャケーカイン ミャンマー出身。1989年12月来日。ミャンマーと日本をともに母国として捉えている。立命館大学で博士(国際関係学)取得後、東京外国語大学で外国人特別研究員を務めた。2005年度より東京外国語大学をはじめ関東周辺にある様々な大学で非常勤講師として教える傍ら、通訳・翻訳も数多くこなす。最近は、在日ミャンマー人の研究と、タイに逃れている避難民に関する研究をしている。2021年度より京都精華大学特任准教授。
MORE -
激動、昭和史の墓
¥2,530
2025年は昭和でいえば「昭和100年」——。昭和9年生まれの著者がその節目を前にして生涯最後の作品として世に送る、昭和史に残る事件・人物を墓碑から辿った〈鎮魂〉と〈記憶継承〉のための記録。 合田一道 著 2024年9月刊 A5判/並製/288頁 本体2300円+税〔税込2530円〕 ISBN 978-4-909281-61-6 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第1墓 鬼熊事件——“鬼熊”と恐れられた男が三人殺害[岩淵熊次郎] 第2墓 文豪の自殺——“ぼんやりした不安”の果てに[芥川龍之介] 第3墓 “ヤマセン”暗殺——治安維持法改正案に一人反対[山本宣治] 第4墓 無教会主義の思想家——非戦を説き、聖書研究に没頭[内村鑑三] 第5墓 日本細菌学の父——破傷風の純粋培養に成功[北里柴三郎] 第6墓 浜口雄幸狙撃事件——“ライオン宰相”ホームで撃たれる[浜口雄幸] 第7墓 日本資本主義の父——五〇〇社以上の創立に関わる[渋沢栄一] 第8墓 血盟団事件——“一人一殺”の暗殺計画[井上準之助/団琢磨] 第9墓 坂田山心中事件——墓から遺体が盗まれる[調所五郎/湯山八重子] 第10墓 五・一五事件——青年将校らが首相を暗殺[犬養毅] 第11墓 拷問死——プロレタリア作家、特高警察に虐殺される[小林多喜二] 第12墓 国際親善に努めた教育者——「われ太平洋の橋とならん」[新渡戸稲造] 第13墓 二・二六事件——“昭和維新”を叫ぶ青年将校らが閣僚を暗殺[高橋是清/斎藤実/渡辺錠太郎/野中四郎/河野寿/香田清貞/安藤輝三/栗原安秀/竹島継夫/対馬勝雄/中橋基明/丹生誠忠/坂井直/田中勝/中島莞爾/安田優/高橋太郎/林八郎/渋川善助/水上源一/村中孝次/磯部浅一/北一輝/西田税] 第14墓 阿部定事件——男を殺害し性器を切り取る[阿部定/石田吉蔵] 第15墓 津山三十人殺し——横溝正史『八つ墓村』のモチーフに[都井睦雄] 第16墓 病妻を詠んだ『智恵子抄』——「あなたはレモンを待つてゐた」[高村智恵子/高村光太郎] 第17墓 現代漫画の祖と歌人の妻——自らの信条に生きた一族[岡本かの子/岡本一平] 第18墓 野球大会で球聖逝く——函館太洋の久慈次郎、牽制球に当たって[久慈次郎] 第19墓 ソ連船遭難事故——荒れる海で必死の救助活動[〈インディギルカ〉号乗船者] 第20墓 四高ボート部遭難事故——『琵琶湖哀歌』と〈四高桜〉[〈加茂〉号乗船者] 第21墓 “空の軍神”死す——隼戦闘隊長の壮烈な最期[加藤建夫] 第22墓 浪漫派歌人の代表格——「君死にたまふことなかれ」で戦争を批判[与謝野晶子] 第23墓 稀代の“天才詩人”——視力を失うも歌作に没頭[北原白秋] 第24墓 海軍元帥の戦死——米軍による報復作戦のターゲットに[山本五十六] 第25墓 代議士の割腹自殺——「戦時宰相論」で首相を批判[中野正剛] 第26墓 ゾルゲ事件——“東亜変革”の夢と諜報と[尾崎秀実] 第27墓 伝説の剛腕投手——全米チーム相手に快投し、戦場に散る[沢村栄治] 第28墓 敗戦、腹を切った陸軍大臣——「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル」[阿南惟幾] 第29墓 特攻作戦発案の海軍中将——「死を以て英霊に謝せん」[大西瀧治郎] 第30墓 処刑第一号の陸軍大将——軍の統率者としての責任を問われて[山下奉文] 第31墓 文学賞創設の功労者——『文藝春秋』を創刊[菊池寛] 第32墓 玉川上水心中死——『グッド・バイ』書き上げて[太宰治] 第33墓 「A級戦犯」として処刑——「平和に対する罪」などを問われて[東條英機] 第34墓 処刑された唯一の民間人——「ママノメイフクヲイノル」[広田弘毅] 第35墓 下山事件——国鉄総裁が轢死[下山定則] 第36墓 民主主義文学運動の旗手——婦人民主クラブの創立に参加[宮本百合子] 第37墓 被曝した体で被災者を診断——病床で『長崎の鐘』などを出版[永井隆] 第38墓 帰宅中に射殺の「白鳥事件」——札幌市警の警備課長殺害[白鳥一雄] 第39墓 洞爺丸事故——超大型台風、五連絡船を呑み込む[〈洞爺丸〉乗船者] 第40墓 紫雲丸事故——濃霧の中、第三宇高丸と衝突[〈紫雲丸〉乗船者] 第41墓 反骨のジャーナリスト——独自の筆致で社会を風刺[宮武外骨] 第42墓 “人間嫌い"の文人——“偏奇”と“自由”の美学[永井荷風] 第43墓 国会突入で衝突死——六〇年安保の悲劇[樺美智子] 第44墓 浅沼稲次郎刺殺事件——「三党立会演説会」の演壇上で[浅沼稲次郎/山口二矢] 第45墓 吉展ちゃん事件——繰り返される不気味な脅迫電話[村越吉展] 第46墓 日本プロレス界の父——暴力団員に刺殺される[力道山] 第47墓 望郷の作家——ラジオ番組の録音中に突然死[佐藤春夫] 第48墓 童謡『赤とんぼ』の作詞者——タクシーにはね飛ばされ死ぬ[三木露風] 第49墓 北大山岳部遭難事件——「書置」を書く[沢田義一] 第50墓 “ワンマン宰相”内閣退陣——難航する戦後政治を牽引[吉田茂] 第51墓 メキシコ五輪目前の死——「走れません」の遺書残し[円谷幸吉] 第52墓 昭和の名横綱——前人未到の連勝記録、六九で止まる[双葉山定次/安芸ノ海節男] 第53墓 日本の喜劇王——エノケンの泣き笑い人生[榎本健一] 第54墓 自衛隊総監室で割腹自殺——バルコニーで蜂起を叫ぶ[三島由紀夫] 第55墓 あさま山荘事件——連合赤軍との銃撃戦に斃れる[高見繁光/内田尚孝] 第56墓 ノーベル賞作家、ガス自殺——文豪の死に漂う影[川端康成] 第57墓 しゃべくり漫才の祖——関西弁で“笑い”ふりまく[花菱アチャコ] 第58墓 大久保清事件——仮釈放後一カ月で八人殺害[大久保清] 第59墓 昭和を謳歌した銀幕の大女優——歯を抜き、老婆役を演じる[田中絹代] 第60墓 永遠のヒロインを演じた名優——新派の枠にとらわれず幅広く[水谷八重子] 第61墓 昭和の爆笑王——死の床も笑いのネタ探しに没頭[林家三平] 第62墓 台湾旅行中に事故死——チョウの採集を兼ねた旅で[向田邦子] 第63墓 六〇年安保闘争の指導者——北大に唐牛あり[唐牛健太郎] 第64墓 “銀幕のヒーロー”——“永遠の二枚目”と謳われて[長谷川一夫] 第65墓 奔放に歌う“ブギの女王”——進駐軍を驚かせる[笠置シヅ子] 第66墓 日本航空123便墜落事故——死者五二〇人、その中に坂本九[日本航空123便乗員乗客] 第67墓 赤報隊事件——朝日新聞記者、撃たれる[小尻知博] 第68墓 帝銀事件——青酸カリで一二人毒殺[平沢貞通] 第69墓 若き“国民的大スター”——映画『太陽の季節』で鮮烈デビュー[石原裕次郎] 第70墓 説教強盗——説教をする強盗が夜ごと出没[妻木松吉] 第71墓 “昭和”の終焉——“女王”ひばりの死[美空ひばり] 第72墓 人気女優のソ連亡命——演出家とともに樺太の国境を越えて[岡田嘉子] 第73墓 ロッキード事件——金権政治、明らかに[田中角栄] 第74墓 終戦から二七年目の帰還——グアム島でのジャングル生活を経て[横井庄一] —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 合田一道(ごうだ・いちどう) 1934年(昭和9年)、北海道上砂川町生まれ。ノンフィクション作家。佛教大学文学部卒。北海道新聞社に入社し、在職中からノンフィクション作品を発表。1994年よりノンフィクション作家の養成教室「一道塾」を北海道で主宰。著書に『古文書が伝える北海道の仰天秘話51』 (寿郎社)、『幕末群像の墓を巡る』(青弓社)、『夜明けの海鳴り——北の幕末維新』『現場検証 平成の大事件』『生還——『食人』を冒した老船長の告白』『北のお天気事件簿——極限下の人間模様』(以上、柏艪社)、『評伝 関寛斎 1830-1912』『「アイヌ新聞」記者 高橋真』(以上、藤原書店)、『松浦武四郎 北の大地に立つ』『お墓からの招待状』(以上、北海道出版企画センター)など。
MORE -
芦別 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史
¥4,400
芦別最後の坑内掘炭鉱の閉山(1992年三井芦別炭鉱閉山)から30年をへて明らかにされた〈炭鉱内部の仕事〉〈賃金〉〈労働者の移入・移出〉〈事故の発生状況〉、そして〈住まい〉や〈子どもの学校〉〈女性たちの活動〉……。炭都・芦別に移住し、働き、暮らし、そして去って行った膨大な人たちの足跡を追った、気鋭の研究者たちによる〈炭鉱研究〉〈地域史研究〉の比類なき一冊。 嶋﨑尚子・西城戸誠・長谷山隆博 編著 2023年12月刊 B5判/並製/340頁(口絵52頁) 本体4000円+税〔税込4400円〕 ISBN 978-4-909281-56-2 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに⋯⋯嶋﨑尚子 写真記録 昭和の芦別⋯⋯長谷山隆博 編 第1章 石炭と電力のマチ——国産エネルギー供給地としての芦別の歴史⋯⋯島西智輝 第2章 ビルド鉱三井芦別の人員確保と労働者の定着⋯⋯嶋﨑尚子 第3章 ビルド鉱の衰退と閉山——芦別を去る人・留まる人⋯⋯嶋﨑尚子 第4章 樺太引揚者の足跡から辿る戦後の芦別と石炭産業⋯⋯坂田勝彦 第5章 炭鉱の学校と子ども⋯⋯笠原良太 第6章 三井芦別炭鉱での仕事⋯⋯清水拓 第7章 災害報告から読む三井芦別炭鉱の事故⋯⋯長谷山隆博 第8章 三井芦別労働組合と精妙な賃金体系⋯⋯中澤秀雄 第9章 炭鉱町から地方都市へ——戦後芦別市の地域産業構造と社会移動の変遷……新藤慶 第10章 芦別で働いた人たち——芦別出身者と転入者の比較を通して⋯⋯新藤慶 第11章 芦別の女性たちの組織活動——主婦会・婦人会、生活学校を中心として⋯⋯西城戸誠 終章 炭鉱は芦別に何を残したのか——まとめにかえて⋯⋯西城戸誠 あとがき⋯⋯長谷山隆博 年表 索引 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編著者略歴】 嶋﨑尚子(しまざき・なおこ)⋯⋯1963年、東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻はライフコース社会学、家族社会学。 西城戸誠(にしきど・まこと)⋯⋯1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻は環境社会学・地域社会学。 長谷山隆博(はせやま・たかひろ)⋯⋯1959年、北海道生まれ。1993年の星の降る里百年記念館開館から芦別市で学芸員として勤務、2020年に定年退職。現在、同館アドバイザー。専攻は日本考古学、北海道近現代史。 【著者略歴】 笠原良太(かさはら・りょうた)⋯⋯1990年、茨城県生まれ。実践女子大学生活科学部生活文化学科専任講師。専攻は家族社会学、ライフコース社会学。 坂田勝彦(さかた・かつひこ)⋯⋯1978年、千葉県生まれ。群馬大学情報学部教授。専攻は社会問題の社会学、生活史研究。 島西智輝(しまにし・ともき)⋯⋯1977年、北海道生まれ。立教大学経済学部教授。専攻は日本経済史・経営史。 清水拓(しみず・たく)⋯⋯1991年、長崎県生まれ。早稲田大学総合人文科学研究センター招聘研究員、法政大学大原社会問題研究所兼任研究員。専攻は産業・労働社会学。 新藤慶(しんどう・けい)⋯⋯1976年、千葉県生まれ。群馬大学共同教育学部准教授。専攻は地域社会学、教育社会学。 中澤秀雄(なかざわ・ひでお)⋯⋯1971年、東京都生まれ。上智大学総合人間科学部教授。専攻は地域社会学。
MORE -
海のアイヌの丸木舟——ラポロアイヌネイションの闘い
¥2,640
アイヌにとって川で捕るサケは、神の魚(カムイチェプ)であり主食(シエペ=本当の食べ物)であった。その川サケ漁を明治政府は一方的に禁じ、今日に至っている。先住権としての川サケ漁の権限を求めて丸木舟を作り、明治以来の日本の不正義に立ち向かうアイヌ民族団体の激動の日々と、先住権問題の核心を追った渾身のルポルタージュ! 青柳絵梨子 著 2023年6月刊 四六判/並製/360頁 本体2400円+税〔税込2640円〕 ISBN 978-4-909281-53-1 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに プロローグ 丸木舟の出航 丸木舟での川サケ漁/新しいサケを迎える儀式/伝統舞踊 ラポロアイヌネイションとは 第一章 カムイチェプ 1 丸木舟を作る 送り出しのカムイノミ/丸木を浮かべる/受け取りのカムイノミ/丸木舟作りと川サケ漁の復活/記紀に登場する「まつろわぬひとども」「蝦夷」/アイヌの信仰/アイヌとサケ資源/北海道旧土人保護法の制定/アイヌの人口調査/浦幌アイヌ協会の設立 2 米国のサーモンピープルから学ぶ 「あなたの物語を伝えなさい」/フィッシュウォーズの勃発/先住民は環境保護運動のリーダー/漁師の誇り/ダムを撤去させた一〇〇年の闘い/ダム撤去による生活の変化 3 コタンの再生に向けて 先住権の持ち主/複数形になっている権利行使の主体/サケ捕獲権確認訴訟のための勉強会/二風谷ダム訴訟/たった二人の反乱/文化享有権とは何か/国の反論/二風谷ダム訴訟の判決/司法が認めた「アイヌは先住民族」 第二章 ウポポイ vs 丸木舟 1 アイヌ新法が成立するまで 北海道ウタリ協会の陳情/「アイヌ民族に関する法律(案)」/紛糾した北海道アイヌ協会の再建総会/「アイヌ協会」から「ウタリ協会」への名称変更/法案作成のきっかけ/七〇年代前半の「ウタリ対策事業」構想/新法制定の検討と法案作成の動機/一九八四年「ウタリ問題懇話会」発足 2 先住権外し 舟にコタンコロカムイを描く/長根弘喜の意気込み/舟のひび割れ/サケ定置網漁の準備/「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」/二〇〇八年「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」設置/遺骨のDNA研究/土地・資源の「返還等ではなくて」/アイヌ施策推進法へ/ウポポイ構想の出現 3 ウポポイの開業と丸木舟の完成 ウポポイへ行ってみる/文様の揺らぎ/「仮に悲しい歴史があるとすれば」——文科相の発言/二〇二〇年七月、ウポポイ開業/「丸木舟、完成です!」/チプサンケ/丸木舟の着水/ラポロアイヌネイション誕生/ほんとにラポロでいいの? 第三章 墓標 1 アイヌ遺骨発掘の歴史 英国領事館員による幕末のアイヌ遺骨盗掘/外交問題に発展した遺骨盗掘事件/小金井良精の北海道発掘旅行/日本学術振興会の第八小委員会/児玉作左衛門の大量発掘/幕末に盗掘された遺骨を再び掘り出す/児玉作左衛門の「研究成果」/戦後も発掘を続ける/児玉コレクション 2 コタンへの返還と新たな問題の発生 再埋葬のカムイノミ/浦幌町の共同墓地への再埋葬/イチャルパ——先祖供養の儀式/闘いの始まり——海馬沢博の北大への質問状/北大の対応——ウタリ協会に限定して/「標本保存庫」としてのアイヌ納骨堂の完成/人骨台帳をめぐる小川隆吉の闘い/北大開示文書研究会の側面支援/小川・城野口らの提訴/小川・城野口に続く人々/北大との和解と「コタンの会」結成/白老の慰霊施設への遺骨集約は許さない 3 先住権の行使 遺骨返還を糸口に/浦幌アイヌ協会の意識の変化/丸木舟で初めてのサケを捕る/念願のアシリチェプノミ/サケの定置網漁/丸木舟作りという山を越えて/日本とアイヌのいびつな関係を正すラストチャンス エピローグ 新しい社会をめざして 「アイヌの美しき手仕事」展/伝統的サケ漁と訴訟のその後 関連年表 あとがき 参考文献・資料 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 青柳絵梨子(あおやぎ・えりこ) 1984年東京生まれ。大学卒業後、共同通信社に入社。大阪支社社会部、さいたま支局、東京エンタメ取材チームなどを経て、2013-2015年釧路支局、2015-2020年札幌支社に勤務(うち2年間休職してモスクワへ)。著書に、東京エンタメ取材チーム時代の新聞連載をまとめた『〈ルポ〉かわいい!——竹久夢二からキティちゃんまで』(寿郎社)がある。
MORE -
ミャンマーの民主化を求めて——立ち上がる在日ミャンマー人と日本の市民社会[寿郎社ブックレット6]
¥1,210
悪夢のような軍事クーデターから2年—— ミャンマーの歴史や現状を豊富な写真や図表でわかりやすくまとめ、全国各地の在日ミャンマー人や日本の支援者の奮闘ぶりを記録した、類書のない貴重な一冊。 玄武岩・藤野陽平・下郷沙季 編著 2023年3月刊 A5判/並製/104頁 本体1100円+税〔税込1210円〕 ISBN 978-4-909281-47-0 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに⋯⋯玄武岩(北海道大学大学院教授) 【第1部 ミャンマーで起きていること】 一九八八年と二〇二一年のミャンマー民主化運動 ナンミャケーカイン(京都精華大学特任准教授) 国民統一政府の世界的ネットワークと少数民族の状況 ソーバーラティン(NUG駐日代表・在日カレン民族連盟幹部) “民主主義の味”を忘れない ——海外に暮らすミャンマー人による「市民的関与」 キンゼッヤミン(国際ミャンマー学者・専門家協会理事) 【第2部 在日ミャンマー人の奮闘】 [北海道からの活動報告] 苦しくても、ミャンマーの子どもや若者のことを思えば トゥン(Myanmar Youth Association Hokkaido代表) [静岡からの活動報告] 地域の“日本人サポーター”とともに キンヤダナソー(ShizuYouth for Myanmar代表) [沖縄からの活動報告] ミャンマーと沖縄の文化を愛しながら トウヤソウ(在沖縄ミャンマー人会事務局長) 【第3部 連帯する日本の人々】 ミャンマーでカレーを作っていたらクーデターが起きた! 保芦宏輔(ミャンマー料理研究家) 全国各地での多様な活動と“キーボードファイター”による革命支援 藤田哲朗(ミャンマーの今を伝える会創設者) 民主化運動による人々の変化と非当事者にできること 石川航(日本ミャンマーMIRAI創造会日本側代表) 【第4部[座談会]グローバル時代の国家暴力——東アジアの経験を手がかりにして】 ナンミャケーカイン(京都精華大学特任准教) 玄武岩(北海道大学大学院教授) 藤野陽平(北海道大学大学院准教授) おわりに⋯⋯下郷沙季(北海道大学学術研究員) —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編著者略歴】 玄武岩(ヒョン・ムアン) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。メディア文化論、日韓関係論。著書に『「反日」と「嫌韓」の同時代史——ナショナリズムの境界を越えて』(勉誠出版、 2016年)、『〈ポスト帝国〉の東アジア——言説・表象・記憶』(青土社、2022年)、共著に『新たな時代の〈日韓連帯〉市民運動』(寿郎社、2021年)などがある。 藤野陽平(ふじの・ようへい) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。専門は文化人類学。著書に『台湾における民衆キリスト教の人類学——社会的文脈と癒しの実践』(風響社、2013年)、共著に『モノとメディアの人類学』(ナカニシヤ出版、2021年)、『台湾で日本人を祀る——鬼から神への現代人類学』(慶應義塾大学出版会、2022年)などがある。 下郷沙季(しもごう・さき) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院学術研究員。共著に『北海道大学もうひとつのキャンパスマップ——隠された風景を見る、消された声を聞く』(寿郎社、2019年)がある。
MORE -
文政四年の激震〈相馬大作事件〉——江戸と蝦夷地を揺るがせた津軽と南部の確執
¥2,530
岩手県では「忠臣」、青森県(津軽地方)では「大悪人」と言われる相馬大作は、なぜ大砲による津軽藩主暗殺を企てたのか?その思想と事件の全容に迫るカギはロシアと蝦夷地にあった——。戦後埋もれた“近世の大事件”を“激動の令和”に呼び覚まし、丁寧な解説を加えた歴史ファンの必読書。 下斗米哲明 著 2022年11月刊 四六判/並製/208頁 本体2300円+税〔税込2530円〕 ISBN 978-4-909281-46-3 C0021 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 基本用語・史料について 主な登場人物 序章 激震 第一章 南部藩と津軽藩 第一節 南部藩と津軽藩の成立 第二節 南部・津軽の藩境問題 第二章 幕藩体制と北辺防備 第一節 幕府が抱える諸問題 第三章 蝦夷地の場所経営と北辺防備の方針 第一節 幕府の蝦夷地直轄の経緯 第二節 ゴローニン事件の顛末 第四章 幕府の蝦夷地経営と警備の動向 第一節 蝦夷地警備方針の急変 第二節 大作の帰郷と兵聖閣建設計画 第五章 幕政と蝦夷地の異変 第一節 老中首座の執政と蝦夷地政策 第二節 兵聖閣の完成と実戦訓練 第六章 大作の志を揺るがす異変 第一節 度重なる凶事 第二節 大作江戸へ向かう 第三節 大作の決意と南部藩の後継者問題 第七章 津軽候要撃未遂事件の顛末 第一節 要撃計画と現地調査 第二節 相馬大作事件の吟味と裁定 第八章 直轄廃止と松前藩復領 第一節 直轄廃止の波紋 第二節 その後の世相 第三節 大作の墓碑と戒名 終章 大作の遺志継承者 あとがき 参考史料 参考文献 年表 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 下斗米哲明(しもとまい・てつあき) 1950年(昭和25年)北海道三石町(現・新ひだか町)生まれ。1966年、北海道立静内高校入学。郷土史クラブに所属し、縄文・擦文・アイヌ期遺跡の発掘調査に参加する。また一年間、休学して自転車で日本を一周、城郭などを見て回る。1970年、北海道庁に入庁。福祉・環境・広報などの業務につく。 2011年、北海道立アイヌ民族文化研究センター副所長を最後に北海道庁を退職。道新文化センターや札幌市生涯学習総合センターちえりあでの歴史講座の講師を務める。現在、北海道下斗米会(相馬大作の会)事務局長。
MORE -
朝鮮人「徴用工」問題を解きほぐす——室蘭・日本製鉄輪西製鉄所における外国人労働者「移入」の失敗
¥2,090
「外国人労働者問題」は80年前から起きていた—— なぜ「徴用工」訴訟が起きるのか? そもそも朝鮮人労働者が北海道や九州にきたのはなにゆえなのか? 「徴用工」問題を解きほぐして見えてきた、今の「外国人労働者問題」につながるこの国の〈労働政策の失敗〉と〈未払い金の総額〉。地道な検証作業で複雑な問題をわかりやすく《見える化》した本。 木村嘉代子 著 2021年8月刊 四六判/並製/212頁 本体1900円+税〔税込2090円〕 ISBN 978-4-909281-37-1 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 序章 朝鮮人労働者——いわゆる「徴用工」とは 第1章 室蘭で死んだ10代の「徴用工」の少年たち 第2章 日本製鉄輪西製鉄所の誕生 第3章 戦時体制下の労働のあり方 第4章 朝鮮人労働者の集団移入計画 第5章 日本にきた朝鮮人労働者の状況 第6章 軍需産業に組み込まれた朝鮮人労働者 第7章 朝鮮人労働者はどのように管理されたか 第8章 「産業戦士」にされる朝鮮人労働者 第9章 「徴用工」を働かせる労務管理者の訓練 第10章 敗戦と朝鮮人労働者の解放 第11章 「未払い金」をめぐる日本政府の対応 第12章 GHQが管理した北海道における「未払い金」 第13章 北海道から韓国へ——遺骨返還の旅 終章 徴用工裁判と日本企業の責任 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 木村嘉代子(きむら・かよこ) 北海道生まれ、静岡県・新潟県育ち。1990年からフリーライターとして東京で女性誌や情報誌などに携わる。ロンドン・パリでの活動を経て、現在、札幌を拠点に社会問題を取材し、雑誌・機関誌・英字新聞などに執筆している。
MORE -
新たな時代の〈日韓連帯〉市民運動[寿郎社ブックレット4]
¥1,100
国家間の関係が最悪の今こそ、市民による「日韓連帯」の共同体験を体験を掘り起こし、バージョンアップさせることで、政治権力に翻弄されない新たな関係を構築する——。ナショナリズム、レイシズムの暗雲をはねのけ、新たな「日韓連帯」の可能性を、日韓関係の研究者・交流事業の実践者たちがさまざまな角度から探った論考集。 玄武岩・金敬黙 編著 2021年3月刊 A5判/並製/96頁 本体1000円+税〔税込1100円〕 ISBN 978-4-909281-33-3 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第一部 問題提起 1970年代から80年代の「日韓連帯運動」から考える「連帯」のあり方⋯⋯李美淑 「日韓連帯」の再検討に必要な視点とは何か⋯⋯金敬黙 被害者的優越意識から脱して「日韓連帯」のバージョンアップを⋯⋯玄武岩 第二部 現場からの報告 「日韓誠信学生通信使」の成果と可能性⋯⋯小田川興 「南北コリアと日本のともだち展」における日韓NGOの経験⋯⋯寺西澄子 枝川朝鮮学校でのアートイベントとその後——コミュニティの越境を目指して⋯⋯明石薫 第三部 座談会⋯⋯玄武岩/金敬黙/李美淑/小田川興/寺西澄子/明石薫 おわりに —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編著者略歴】 玄武岩(ヒョン・ムアン) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究員教授。メディア文化論、日韓関係論。著書に『コリアン・ネットワーク——メディア・移動の歴史と空間』(北海道大学出版会、2013年)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史——ナショナリズムの境界を越えて』(勉誠出版、2016年)など。 金敬黙(キム・ギョンムク) 早稲田大学文学学術院教授。早稲田大学韓国学研究所・所員、アジア研究所・所長。平和研究、アジア研究、トランスナショナル市民社会論を研究・活動領域としている。編著書に『越境する平和学』(法律文化社、2019年)など。
MORE -
日本の歩みを強く危惧する——93歳原爆体験者からの訴え
¥1,650
〈憎悪〉ではなく〈和解〉のために 明治以来、日本はアジアの近隣諸国に多大な加害を及ぼしながら、戦後、その責任の取り方が極めて不十分であった。そのため〈和解〉が未だできずにいる。特に安倍政権は過去を正当化し、米国の軍事力への依存を強め、近隣諸国との〈対立〉を激化させている。 今、日本はどのような道を進むべきなのか——。 広島で被爆し、肌で十五年戦争を知る最後の世代からの全身全霊のメッセージ。 玖村敦彦 著 2019年9月刊 四六判/並製/156頁 本体1500円+税〔税込1650円〕 ISBN 978-4-909281-17-3 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 まえがき Ⅰ 改訂版 私の昭和二〇年八月一五日とその前後/皇国史観とそれに関連するいくつかのこと/うた草稿——戦争を想起して八五歳頃詠んだ八首/二〇一八年に送付した手紙1/二〇一八年に送付した手紙2 Ⅱ 〔講演〕岐路に立つ日本——日本会議の主張する道を進むか、それと対極的な道を進むか?/「日中の和解を庶民の立場から考える会」での発言から Ⅲ 戦中派・戦後派の多くの皆さんへ/第二次大戦後の加害責任の取り方における日・独の違い/日本が殺害した人々の追悼施設を作ろう/沖縄の人々のことをわが身のこととして考えよう Ⅳ 『改訂版 かえりみる日本近代史とその負の遺産』について/日本は核兵器の廃絶さらに世界平和の実現を目指そう あとがき —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 玖村敦彦(くむら・あつひこ) 1926年(大正15年)山口県生まれ。札幌市在住。少・青年期を広島市で過ごす。1945年8月、旧制広島高等学校2年の時、原爆を体験する。同校卒業後、東京大学農学部農学科に進学し、卒業後は農学科農学第二講座(作物学研究室)に残り、光合成を中心として作物の生理・生態を研究するほか、耕地の炭素循環を生態系生態学の視点から解析。定年後、東京大学名誉教授。1986〜95年、国士舘大学教授。 80歳ごろより戦争・原爆の記憶から日本の近代史に強い関心を持つようになる。歴史関係の著書に『改訂版 かえりみる日本近代史とその遺産』(寿郎社)がある。
MORE -
アイヌの法的地位と国の不正義——遺骨返還問題と〈アメリカインディアン法〉から考える〈アイヌ先住権〉
¥2,310
〈アイヌ遺骨返還訴訟〉の弁護人である著者が、近世以降のアイヌと日本国の関係を問い直し、アメリカで19世紀前半に確立した〈インディアン法〉と比較しながら〈アイヌ先住権〉の確立を訴えた、初の法学的アイヌ研究の書。 市川守弘 著 2019年4月刊 四六判/並製/232頁 本体2100円+税〔税込2310円〕 ISBN 978-4-909281-14-2 C0032 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はしがき 序章 アイヌ遺骨の返還から〈アイヌ法〉の確立へ 一、研究目的でのアイヌ遺骨の収集 二、江戸時代のイギリス人によるアイヌ遺骨発掘事件 三、遺骨返還拒否の理由は何か 四、遺骨返還訴訟の提起と北海道大学の主張 五、日本政府の遺骨返還についての基本的考え 六、アイヌの人たちの主張 七、裁判所による和解勧告とその影響 八、アイヌ集団(コタン)の権限 第一章 先住民族の権利に関する国際連合宣言 一、先住民族の権利に関する国際連合宣言 二、国際条約と国内法の整備 三、勝利は勝ち取るもの 四、日本国政府の義務 第二章 歴史から見たアイヌの法的地位 一、アイヌはどのように見られてきたか 二、江戸時代におけるアイヌ法的立場 第三章 明治政府によるコタンへの侵略 一、国際法を無視した明治政府 二、明治政府の新しい法制度(自然資源) 三、生活・文化面での明治政府の新しい法制度 四、新しい法制度の結果 第四章 〈アメリカインディアン法〉から学ぶこと 一、〈アメリカインディアン法〉とは何か 二、アメリカにおける先住権とその主体 三、アメリカ合衆国とインディアンの歴史 四、アメリカにおけるインディアンの同化政策 五、インディアントライブは主権を有する集団 六、主権とは何か 七、領土の線引きと先住民との関係 八、先住権と条約——サケ捕獲権をめ巡って 九、アイヌの先住権とインディアン法との比較 第五章 憲法と先住権、先住権の主体としてのコタン 一、憲法と先住権 二、コタンは存在するのか——現代におけるコタンの考え方 第六章 北海道旧土人保護法の廃止と日本国の向かう先 一、北海道旧土人保護法について 二、北海道旧土人保護法とドーズ法の異同 三、文化振興法とは何であったのか 四、日本の向かう先 おわりに 参考文献 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 市川守弘(いちかわ・もりひろ) 1954年東京生まれ。中央大学法学部卒。弁護士(1988年弁護士登録、現在旭川弁護士会所属)。1999~2002年、コロラド大学ロースクール自然資源法センターに留学。著書に『アメリカインディアン法の生成と発展——アイヌ法確立の視座として』(日弁研修叢書)、共著書に『アイヌの遺骨はコタンの土へ——北大に対する遺骨請求と先住権』(北大開示文書研究会編著、緑風出版)、主な論文にUnderstanding the Fishing Rights of the Ainu of Japan: Lessons Learned from American Indian Law, the Japanese Constitution, and International Law(Colorado Journal of International Environmental Law and Policy 2001)、「アイヌ人骨返還を巡るアイヌ先住権について」(『法の科学』45号)などがある。
MORE -
古文書が伝える北海道の仰天秘話51
¥1,980
公文書館、博物館、図書館は〈宝の山〉! 徳川家康の黒印状から幕末の松前藩のクーデターを物語る文書、明治期の人事・政争・汚職の顛末がわかる記録まで—— 「北海道命名150年」の〈光〉と〈影〉も明らかに。 合田一道 著 2018年3月刊 A5判/並製/188頁 本体1800円+税〔税込1980円〕 ISBN 978-4-909281-0-81 C0021 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 まえがき 01 松前家、蝦夷島主の地位固める——徳川家康からの黒印状 02 アイヌ民族の懐柔と隷属化——「夷酋列像」に書かれた序文 03 日露初交渉の陰で消えた命——ヲロシャ人小屋外廻り之図 04 「噴火湾」と名付けたイギリスの探検船——「魯西亜船入津一件」に見るもう一つの異国船騒動 05 北海道初の官製道路、開削——近藤重蔵の偉業を伝える「東蝦新道記」 06 苫小牧に伝わる八王子千人同心隊の苦難——幽霊話を生んだ「梅の墓」の七言絶句 07 津軽藩士、斜里警備で大量死——生き残った藩士が伝えた壮絶な記録 08 心中事件を伝える「悲恋塚」——真相を隠蔽する「近藤家古文書」 09 ペリー艦隊の来航で松前藩が大騒ぎ——住人を震え上がらせた「箱館入港亜米利加船触書」 古文書コラム1——坂本龍馬らの人相書き手配書 10 幕末に「ストーブ」の図面描く——幕吏梨本弥五郎の発注文書 11 野村半島で和人が畑作——作った野菜を記録した「加賀屋氏大宝恵」 12 「唐人お吉」ならぬ「唐人たま」の記録——絵入りで残された「ライス箱館応援録」 13 新政府発足直後に小樽で暴動——旧幕府役人で記した「穂足内村騒立一件書類」 古文書コラム2——箱館の「遊女屋一覧表」 14 新政府の誕生と松前藩内の対立——箱館府知事・清水谷公考が詠んだ和歌 15 松前藩、血のクーデター——激動の時代を伝える「正議隊建白書」 16 箱館へ向かった榎本武揚の決意——江戸を脱走の直前、勝海舟らに便り 17 外国人の殺害・暴行を戒める——太政官が峠下集落に掲げた高札 18 判然としない土方歳三の最期——流れ玉説・戦闘説などあり遺体も不明 古文書コラム3——土方歳三の優しい文学 19 息子二人と戦死の覚悟——開陽丸機関長中島三郎助が妻に便り 20 アイヌ民族に寄り添う姿勢を地名に——松浦武四郎の蝦夷地名選定の上申書 21 漢詩で伝える開拓初期の様子——島義勇の「北海道紀行草稿」 22 大友亀太郎、開拓使へ仕官望まず——実母の看護が理由の“辞職願” 古文書コラム4——「宝庫」のナンバーワンは黒田清隆 23 仙台藩岩出山領の北海道移住——村の憲法「邑則」に込められた決意 24 移住者の草小屋に火を放つ——開拓判官・岩村通俊の「御用火事」の記録 25 「赤い星」のマークはいつ生まれた?——蛯子末次郎考案の「北辰旗」 26 定山渓温泉の開祖は公務員?——開拓使が美泉定山を採用した文書 古文書コラム5——美泉定山の死を伝える過去帳 27 村橋久成とサッポロビール——「開拓使麦酒醸造契約書」 古文書コラム6——村橋久成の「香典帳」 28 月三回、均一料金で全国に配達——北海道で郵便制度を始める布告案 29 課税強化で漁民の不満爆発——「檜山騒動」の発端となった嘆願書 30 幌内鉄道開業式のハプニング——皇族の訃報で急遽延期の電報 31 黎明期の道路名を知っていますか?——「触書案」が定めた札幌の通り名 32 幕末期から豊平川で渡し守——志村鉄一に対する刑法局の「御指令案」 33 屯田兵制度ができた理由とは?——「屯田兵備設置の建議」 34 函館で起きた外国人殺人事件——ドイツ領事暗殺を記した「断刑伺録」 35 大金で雇われたクラーク博士——開拓判官の外務丞宛の採用記録 36 樺太アイヌ冷遇で憤怒の退職——松本十郎の「職務御免奉願候書」 37 炭鉱開発が北海道開拓の主役に——榎本武揚の幻の調査報告「石炭山取調書」 38 尾張徳川家の入植と「ある事件」——開拓史の古文書「愛知県士族移住事件」 古文書コラム7——新選組の生き残り、永倉新八 39 函館で道内初の新聞発刊——北海道の新聞ことはじめ 40 囚人を酷使する集治監獄の建設——過酷な労働を決めた「北海道巡視意見書」 41 近代汚職の始まりを示す文書——「開拓史官有物払い下げ」の取り消し 42 「札幌県」「函館県」「根室県」があった——わずか四年間の北海道三県一局時代の記録 43 秩父事件の井上伝蔵の最期——死刑判決を受けても偽名で生き抜く 44 執念でできた国道一二号の原型——岩村通俊、高畑利宣の上川開発計画 45 幻に終わった上川離宮構想——永山武四郎に引き継がれた計画の上申書 46 日清戦争から生まれた第七師団——屯田兵制度の廃止を告げる「師団歴史」 47 道民には選挙権がなかった?——全道での投票が実現した「閣議決定書」 48 公衆電話を設置した白虎隊の生き残り——「北海道物産共進会事務及審査報告」 49 アイヌ民族を苦しめた悪法——「北海道旧土人保護法」をめぐる文書 50 知里幸恵に宛てた励ましの便り——金田一京助が『アイヌ神謡集』の出版に際して 51 脱獄魔から劇団の座長に転身——五寸釘寅吉の「釈放指揮書」 古文書から漂う歴史の匂い——あとがきに代えて 参考文献 人名索引 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 1934年北海道上砂川町生まれ。佛教大学文学部卒。北海道新聞社に入社し、道内各地を回る。在職中からノンフィクション作品を発表。退職後は札幌大学講師など。主な作品は『死の逃避行——満州開拓団27万人』『流氷の海に女工節が聴える』『咸臨丸 栄光と悲劇の5000日』『裂けた岬』『日本史の現場検証』『日本人の遺書 1858~1997』『古文書に見る榎本武揚——思想と生涯』『松浦武四郎 北の大地に立つ』など。北海道ノンフィクション集団代表。日本脚本家連盟北海道支部長。ほっかいどう学を学ぶ会顧問。
MORE -
悲運のアンギャン公爵——フランス大革命、そしてナポレオン独裁のもとで
¥2,860
世界で独裁者が跋扈する時代、「怪物」ナポレオン以上に独裁政治の恐ろしさを教える人間はいない。疾風怒濤のフランス大革命、ナポレオン非情の独裁政治、そして悲恋——アンギャン公爵VSナポレオンの〈戦慄の歴史ドラマ〉が今ここに繙かれる。 2017年10月刊 四六判/上製/384頁 本体2600円+税〔税込2860円〕 ISBN 978-4-902269-98-7 C0022 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 第一章 コンデ家の人々 第二章 ロアン家の人々 第三章 大革命の兆し 第四章 気ままな亡命 第五章 王政の終焉 第六章 王弟殿下の約束 第七章 ロシアにおけるコンデ一族 第八章 エテンハイム 第九章 陰謀 第十章 最後の数時間 第十一章 訃に接するシャルロット 第十二章 ヴァンセンヌ事件ののち 第十三章 亡命の終り 第十四章 無実を叫ぶ人々 第十五章 遺書 第十六章 遠い記憶 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 クロード・パストゥール(Claude Pasteur) 1920年生まれ。フランスの女性ジャーナリスト、作家、歴史家。主にヨーロッパ諸国の古今の王侯貴族の人生や、歴史上の伝説的人物の生涯を描いた伝記作家として知られる。 1950年代から2001年にいたる執筆活動期間、歴史雑誌“Historia”をはじめとする定期刊行物に多数の原稿を寄せる一方、20余冊の書物を上梓。 【訳者略歴】 伊東冬美(いとう・ふゆみ) 1947年生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒業。フランス国立ナンシー大学文学部フランス語学・文学・文明科大学院博士課程修了。文学博士。関東学院大学名誉教授。
MORE -
「慰安婦」問題の境界を越えて——連合国軍兵士が見た戦時性暴力、各地にできた〈少女像〉、朝日新聞と植村元記者へのバッシングについて[寿郎社ブックレット3]
¥880
連合国軍兵士が見た戦時性暴力、各地にできた〈少女像〉、朝日新聞と植村元記者へのバッシングについて、北海道大学で行われたシンポジウムをまとめたブックレット。「慰安婦」問題の入り組んだ状況を解きほぐす。 テッサ・モーリス‐スズキ/玄武岩/植村隆 著 2017年7月刊 A5判/並製/108頁 本体800円+税〔税込880円〕 ISBN 978ー4ー909281ー03ー6 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 アジア太平洋戦争における日本軍と連合国軍の「慰安婦」⋯⋯テッサ・モーリス‐スズキ 「慰安婦」の新たな側面に光をあてる 連合国軍兵士の証言 インドの収容所の「慰安婦」 「公的史料は存在しない」論の意味 口述証言は信用できない? 中国とビルマの「慰安婦」 東南アジアの「慰安婦」 「慰安婦」のやさしさ 報酬に関する証言 オーストラリアの従軍画家の証言 イギリス士官、アメリカ情報局員の証言 「地獄の旅」 解放された「慰安婦」たちは 戦時性暴力研究の第一歩を 質疑応答 「想起の空間」としての「慰安婦」少女像⋯⋯玄武岩 少女像を訪れる人々 少女像への批判 植民地支配の記憶、反日ナショナリズムの象徴 少女像は「慰安婦」ではない? 碑石から少女の姿へ 集合的記憶の結晶 『帝国の慰安婦』の少女像批判 抵抗ナショナリズムの化身 誰の記憶か? すべては反日ナショナリズムへ 拡散する少女像 少女像のバリエーション 元「慰安婦」の絵 アートへの影響 記憶の破壊 カノン化する少女像 記憶と歴史、想起と忘却 少女像のリアリティ 少女像はどこへ トランスナショナルな「想起の空間」へ 終わらない「少女」の物語 ベトナムのピエタ像 戦時性暴力の罪を問う 少女像を見つめ返して 歴史修正主義と闘うジャーナリストの報告——朝日バッシングの背後にあるもの⋯⋯植村隆 二三年前の記事 元「慰安婦」女性の記者会見 五〇年の沈黙を破って 「週刊文春」で「捏造」と書かれる 産経新聞と読売新聞 「捏造」が否定されても 止まらないバッシング ニュース23の岸井発言 娘への脅迫 広がる応援メール 「無実」を証明するため 歴史修正主義の標的に アメリカへ講演に 海外の日本研究者が声明 河野談話の継承発展を ディスカッション「慰安婦」問題と越境する連帯⋯⋯テッサ・モーリス‐スズキ、玄武岩、植村隆、司会・水溜真由美 インタビュアーの無関心 『帝国の慰安婦』の評価 朝日・植村バッシングの背景 少女像の影と椅子 元ハンギョレ新聞記者からの問い 朝日の萎縮と沈黙 過去と現在をつなぐ像 韓国における記憶の継承 和解への誤解 日韓合意を越えて グローバルなつながりへ 日韓以外の取り組み あとがき —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 テッサ・モーリス‐スズキ(Tessa Morris‐Suzuki) 1951年イギリスサリー州ケーターハム生まれ。オーストラリア研究会議特別フェロー、オーストラリア国立大学特別栄誉教授。著書に『辺境から眺める——アイヌが経験する近代』(みすず書房、2000年)、『北朝鮮へのエクソダス——「帰国事業」の影をたどる』(朝日文庫、2011年)、『批判的想像力のために——グローバル化時代の日本』(平凡社ライブラリー、2013年)、『過去は死なない——メディア・記憶・歴史』(岩波現代文庫、2014年)、共著に『天皇とアメリカ』(集英社新書、2010年)、『海を渡る「慰安婦」問題——右派の「歴史戦」を問う』(岩波書店、2016年)他多数。 玄武岩(ヒョン・ムアン) 1969年生まれ、韓国済州島出身。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。著書に『韓国のデジタル・デモクラシー』(集英社新書、2005年)、『統一コリア——東アジアの新秩序を展望する』(光文社新書、2007年)、『コリアン・ネットワーク——メディア・移動の歴史と空間』(北海道大学出版会、2013年)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史——ナショナリズムの境界を越えて』(勉誠出版、2016年)、共著に『興亡の世界史18——大日本・満州帝国の遺産』(講談社、2010年)、『サハリン残留——日韓ロ百年にわたる家族の物語』(高文研、2016年)など。 植村隆(うえむら・たかし) 1958年高知県生まれ。元朝日新聞記者、韓国カトリック大学客員教授。2014年3月朝日新聞社を早期退職、2010年4月早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(博士後期課程)入学。2012年4月より16年3月まで北星学園大学非常勤講師。著書に『真実——私は「捏造記者」ではない』(岩波書店、2016年)、共著に『マンガ韓国現代史——コバウおじさんの50年』(角川ソフィア文庫、2003年)、『新聞と戦争 上下』(朝日文庫、2011年)。
MORE -
朝鮮人とアイヌ民族の歴史的つながり——帝国の先住民・植民地支配の重層性
¥2,420
戦時下の北海道で過酷な労働を強いられ逃げた朝鮮人をアイヌの人々は匿い続けた。丹念な調査から見えてきた知られざるマイノリティの歴史。〈近現代アイヌ史〉〈在日コリアン形成史〉に一石を投じる本。 石純姫 著 2017年7月刊 四六判/上製/208頁 本体2200円+税〔税込2420円〕 ISBN 978ー4ー902269ー99ー4 C0021 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第一章 前近代期における朝鮮人とアイヌ 第二章 近代期における朝鮮人とアイヌ 第三章 近代期の朝鮮人労務動員とアイヌ 第四章 記憶の表象の暴力 第五章 先住民支配と植民地主義 第六章 サハリンにおけるアイヌと朝鮮人 第七章 戦後におけるアイヌ民族と朝鮮人 第八章 帝国主義の残滓——忘却の力学 結び 聞き取り資料 あとがき —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 石純姫(ソク・スニ) 1960年東京生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、苫小牧駒澤大学国際文化学部教授。東アジア歴史文化研究所所長。大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。
MORE -
北の学芸員とっておきの《お宝ばなし》——北海道で残したいモノ伝えたいコト
¥1,650
全道各地の博物館・資料館の学芸員たちが“おらが町のちょっとイイ話”“自慢の所蔵品”について熱く語った1冊。北の自然と文化と人間にまつわる選りすぐりの49編を集めた“北海道ウンチク本”の決定版。 北海道博物館協会学芸職員部会 編 2016年11月刊 四六判/並製/360頁 本体1500円+税〔税込1650円〕 ISBN 978ー4ー902269ー92ー5 C0039 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第1章 謎を秘めた北海道の生き物たち 第2章 プレート衝突が生み出した大地に眠るもの 第3章 天空に広がる星と月 第4章 ワイズユース・自然と人間の関わり 第5章 大地が育む人のおおらかさ・あたたかさ 第6章 北の大地で活躍した人々 第7章 北海道の戦争の記憶 第8章 地域に残る先祖伝来の風習 第9章 アイヌ語地名とアイヌ文化の伝承 第10章 遺跡から見えてくる古代の文化・風習 第11章 まちの記憶と文化を刻む古い建物や資料 あとがきに代えて —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編者略歴】 北海道博物館協会学芸職員部会 北海道内各地の博物館・美術館・動物園・水族館等に勤務する学芸員有志が集う専門職集団。 北海道博物館協会(1961年〜)に属し、研修活動の場を通じて学芸職員としてのスキルアップと情報共有に取り組むと共に、学芸員それぞれの専門分野を生かして博物館相互の交流・連携を推し進めている。 1977年の設立で2016年に40周年を迎えた。会員数は約180名。
MORE -
かえりみる日本近代史とその負の遺産——原爆を体験した戦中派からの《遺言》[改訂版]
¥2,420
アジア・太平洋戦争敗北に至るまでの日本の帝国主義が生み出した《負の遺産》を清算しない限り隣国との和解はできるがはずがない——と考える被爆者の著者が現代日本の「歴史の清算なき歩み」を正面から批判した本。 玖村敦彦 著 2014年4月刊[初版] 2015年7月刊[改訂版] 四六判/仮フランス装/296頁 本体2200円+税〔税込2420円〕 ISBN 978ー4ー902269ー77ー2 C0021 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 Ⅰ 私の戦争体験―広島での被爆 (i)旧制広島高校に入学するまで (ii)広島での被爆と終戦 (iii)私の放射能障害と大学進学 Ⅱ かえりみる日本近代史——明治維新からアジア・太平洋戦争敗北にいたるまで 《明治期》 1 日本の近代化——「脱亜入欧」へ向けて 2 大日本帝国憲法と国家体制の性格・問題点 3 山県有朋の主権線・利益線論 4 日清戦争 5 日露戦争 6 韓国併合 《大正期》 7 第一次世界大戦・ヴェルサイユ条約・国際連盟 《昭和期》 8 満州事変と満州国建国 9 日中戦争とその時代の国際関係・国内問題 10 アジア・太平洋戦争とその時代の国際関係・国内問題 Ⅲ 日本近代史の負の遺産とその清算・克服 1 明治維新からアジア・太平洋戦争敗北にいたる時代についての歴史観 2 日本近代史の負の遺産の清算・克服 3 ドイツにおける負の遺産の克服 4 日本の歴史認識の浅薄さと負の遺産の清算・克服の未達成 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 玖村敦彦(くむら・あつひこ) 1926年(大正15年)山口県生まれ。少・青年期を広島市で過ごす。1945年(昭和20年)8月、旧制広島高等学校2年生のとき原爆を体験する。同高卒業後、東京大学農学部農学科に進学し、卒業後は農学科農学第二講座(作物学研究室)に残り、光合成を中心として作物の生理・生態を研究するほか、耕地の炭素循環を生態系生態学の視点から解析。定年後、東京大学名誉教授。のち国士舘大学教授。80歳頃より戦争・原爆の記憶から日本の近代史に強い関心を持つようになる
MORE -
月と蛇と縄文人——シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観
¥1,980
土器や土偶が奇妙奇天烈に見えるのは“彼ら”の造形技術が拙いからではなく人類の根源的な思考方法で表現されているからだ——。北海道考古学会会長が心理学や文化人類学・宗教学を駆使して縄文人の“こころ”に迫る。6刷のロングセラー。 大島直行 著 2014年1月刊 四六判/並製/280頁 本体1800円+税〔税込1980円〕 ISBN 978ー4ー902269ー67ー3 C0020 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第Ⅰ章 縄文人のものの考え方 第Ⅱ章 縄文人のものづくり原理 第一節 縄文土器は本当に鍋か 第二節 土偶のワキはなぜ甘い 第三節 石斧の色はなぜ緑なのか 第四節 貝輪をはめるのはなぜ女性なのか 第Ⅲ章 縄文人の大地のデザイン原理 第一節 死者はなぜ穴に埋めるのか 第二節 竪穴住居になぜ住むのか 第三節 ストーンサークルはなぜ円いのか 第四節 環状土籬は土木工事か 第五節 貝塚はゴミ捨て場なのか 第六節 水場遺構で何が行なわれたのか 第七節 火災住居は単なる火事か 第Ⅳ章 縄文人の神話的世界観 第一節 縄文人の世界観 第二節 月のシンボリズムの行方 第三節 縄文文化の本質 あとがき 参考文献 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 大島直行(おおしま・なおゆき) 1950年(昭和25年)、北海道標茶町生まれ。東洋大学文学部史学科卒業。伊達市噴火湾文化研究所長。札幌医科大学客員教授(医学博士)。従来の考古学の枠を越え、脳科学や心理学・文化人類学・宗教学・民俗学などを援用した考古学研究に挑む。縄文文化を新たな視点で読み解き、縄文文化の高い精神性に着目した研究を展開する一方、その成果を普及・啓発するため、北海道各地において「市民縄文会」を設立。北海道考古学会会長、日本考古学協会理事、日本人類学会評議員を歴任。 著書に『縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか』『縄文人の世界観』(以上、国書刊行会)、『対論・文明の原理を問う』(麗澤大学出版会)。
MORE -
ハンセン病——差別者のボクたちと病み棄てられた人々の記録
¥2,200
国立ハンセン病療養所の取材を朝日新聞の定年退職後も続けてきた三宅一志と人権問題に長年携わってきた福原孝治が、明治から平成まで続いた〈医療政策の闇〉分け入り記録した、療養所入所者たちの想像を絶するヵ国な人生。日本残酷物語。 三宅一志・福原孝浩 著 2013年5月刊 四六判/上製/236頁 本体2000円+税〔税込2200円〕 ISBN 978ー4ー902269ー60ー4 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 Ⅰ 癩患者・家族を「にんげん」と見ず「生殺し」にした医学・国策の冷血 Ⅱ 病み棄てられて——丸ごとの人生被害を聞く 患者運動の先駆者 母が言った「罪人じゃあ、ありません」 三度命拾いして活動を続ける在日コリアン 園内での積極交流で「仮孫」が千人 正義は必ず勝つ 不当な処遇と闘い続けて この人たちによって生かされた 故郷に帰ることはないだろう 壕掘りで沖縄戦をしのぐ 強制堕胎を話さぬまま逝った母 【解説】ハンセン病という病 二十余カ所を渡り歩いて 大学卒業後、大手商社に就職して再発 在園七十年の生き字引き 韓国・小鹿島を訪ねて 沖縄・西表島を訪ねて 圧倒されたいのちの息づかい——あとがきに代えて 資料 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 三宅一志(みやけ・かずし) 1947(昭和22)年、岡山県玉野市生まれ。1969(昭和44)年〜2009(平成21)年、朝日新聞記者。一貫して取材現場に立ってきた。29歳だった1977(昭和52)年、朝日新聞香川版に「ハンセン病の軌跡——大島青松園」を125回、単独で連載。翌年『差別者のボクに捧げる!——ライ患者たちの苦闘と記録』と改題して晩聲社から出版。ほかに『熟年放浪——清貧出会い旅』(文藝春秋)、『憲兵物語』(光人社)などがある。ハンセン病市民学会維持会員。 福原孝浩(ふくはら・たかひろ) 1941(昭和16)年、島根県益田市生まれ。兵庫県尼崎市の公立中学校勤務を経て帰省。34年前から在日コリアン問題や解放教育に取り組む。「国賠訴訟」で原告勝訴の判決が出た2001(平成13)年からハンセン病問題にかかわり、十数人の元患者らと親交を重ねる。益田市に同訴訟の原告側弁護士や療養所の入所者を招いて講演会を開いたり、学校・社会教育などの場でハンセン病問題を語る。ハンセン病市民学会会員。子ども支援塾経営。
MORE -
ノグンリ虐殺事件——君よ、我らの痛みがわかるか
¥3,300
1950年7月25日——朝鮮戦争の勃発勅語、韓国中部のノグンリ村で米軍による避難民「皆殺し」に巻き込まれ、家族が犠牲になった著者が、自らの苦悩と向き合い残虐な戦争犯罪を告発した衝撃のノンフィクション。 鄭殷溶 著 2008年12月刊 A5判/上製/328頁+口絵4頁 本体3000円+税〔税込3300円〕 ISBN 978ー4ー902269ー32ー1 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 第1章 壊れた青雲の夢 第2章 避難 第3章 南へ行ってこそ生き残れる 第4章 悲しき邂逅 第5章 二つの顔の米軍 第6章 兵士たちの合唱 第7章 望郷に気をもむ人々 第8章 反撃、そして帰郷 第9章 興南に響き渡った賛美歌 第10章 膠着した戦線 第11章 痛恨の休戦 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 鄭殷溶(チョン・ウニョン) 1923年、韓国忠清北道永同にて出生。ソウル・中央大学法学科卒業。忠南警察局公報主任、監察主任、反共連盟忠南支部総務課長を歴任。1999年、米国南カリフォルニア州基督教教会協議会人権賞受賞。韓国基督教教会協議会人権賞受賞。韓国『時事週刊』忠清REVIEW「一九九九忠清の人物」、『東洋日報』「一九九九今年の人物」に選定される。
MORE