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芦別――炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史
¥4,400
芦別最後の坑内掘炭鉱の閉山(三井芦別炭鉱1992閉山)から30年をへて明らかにされた〈炭鉱内部の仕事〉〈賃金〉〈労働者の移入・移出〉〈事故の発生状況〉、そして〈住まい〉や〈子どもの学校〉〈女性たちの活動〉……。炭都・芦別に移住し、働き、暮らし、そして去って行った膨大な人たちの足跡を追った、気鋭の研究者たちによる〈炭鉱研究〉〈地域史研究〉の比類なき一冊。 嶋﨑尚子・西城戸誠・長谷山隆博 編著/定価:本体4000円+税〔税込4400円〕 B5判/並製/340頁(口絵52頁) —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 《目次》 はじめに……嶋﨑尚子 〈写真記録〉 昭和の芦別……長谷山隆博 編 〈第1章〉石炭と電力のマチ――国産エネルギー供給地としての芦別の歴史……島西智輝 【コラム】 芦別の中小炭鉱 島西智輝 【コラム】 ヤマを開発した実業家・投資家たち 島西智輝 〈第2章〉ビルド鉱三井芦別の人員確保と労働者の定着……嶋﨑尚子 【コラム】 三井芦別の社宅建設と炭住街の形成 嶋﨑尚子 〈第3章〉ビルド鉱の衰退と閉山――芦別を去る人・留まる人……嶋﨑尚子 【コラム】 改良住宅への建替えと炭住生活の変貌 嶋﨑尚子 〈第4章〉樺太引揚者の足跡から辿る戦後の芦別と石炭産業……坂田勝彦 【コラム】 炭鉱間移動と「ヤマの仲間」 嶋﨑尚子 〈第5章〉炭鉱の学校と子ども……笠原良太 〈第6章〉三井芦別炭鉱での仕事……清水拓 【コラム】 明治期の炭鉱開発と炭鉱労働者 長谷山隆博 【コラム】 戦時下の炭鉱開発と炭鉱労働者 長谷山隆博 〈第7章〉災害報告から読む三井芦別炭鉱の事故……長谷山隆博 【コラム】 三井芦別の労働生活 島西智輝 【コラム】 石炭運送と鉄道 長谷山隆博 〈第8章〉三井芦別労働組合と精妙な賃金体系……中澤秀雄 【コラム】 三井芦別と北日本精機 島西智輝 〈第9章〉炭鉱町から地方都市へ――戦後芦別市の地域産業構造と社会移動の変遷……新藤慶 【コラム】 芦別支店、芦別営業所、芦別鉱業所 新藤慶 〈第10章 〉芦別で働いた人たち――芦別出身者と転入者の比較を通して……新藤慶 【コラム】 炭鉱全盛期の飲食店 長谷山隆博 〈第11章 〉芦別の女性たちの組織活動――主婦会・婦人会、生活学校を中心として……西城戸誠 【コラム】 炭鉱と農業――炭鉱周辺の農業従事者 西城戸誠 〈終章〉炭鉱は芦別に何を残したのか――まとめにかえて……西城戸誠 あとがき……長谷山隆博 年表 索引 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— [編著者略歴] 嶋﨑尚子……1963年、東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻はライフコース社会学、家族社会学。 西城戸誠……1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻は環境社会学・地域社会学。 長谷山隆博……1959年、北海道生まれ。1993年の星の降る里百年記念館開館から芦別市で学芸員として勤務、2020年に定年退職。現在、同館アドバイザー。専攻は日本考古学、北海道近現代史。 [執筆者略歴] 笠原良太……1990年、茨城県生まれ。実践女子大学生活科学部生活文化学科専任講師。専攻は家族社会学、ライフコース社会学。 坂田勝彦……1978年、千葉県生まれ。群馬大学情報学部教授。専攻は社会問題の社会学、生活史研究。 島西智輝……1977年、北海道生まれ。立教大学経済学部教授。専攻は日本経済史・経営史。 清水拓……1991年、長崎県生まれ。早稲田大学総合人文科学研究センター招聘研究員、法政大学大原社会問題研究所兼任研究員。専攻は産業・労働社会学。 新藤慶……1976年、千葉県生まれ。群馬大学共同教育学部准教授。専攻は地域社会学、教育社会学。 中澤秀雄……1971年、東京都生まれ。上智大学総合人間科学部教授。専攻は地域社会学。
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小さな労働組合 勝つためのコツ——攻める・守る・長く続ける
¥1,980
札幌地域労組の専従オルグ(指導者)として手がけた労働組合結成の数は日本一、労働運動に貢献した人に与えられる「山田精吾賞」(第1回)を現役で唯一受賞した《日本三大オルグ》の一人である著者が書いた、チョー分かりやすい〈労働組合の勝てる戦い方〉! 10月17日刊行/四六判並製/224頁 〈目次より〉 はじめに 第1章 労働相談—相手とケースを見極める 第2章 結成の準備から大会、使用者側への通知まで 第3章 不当労働行為—待ち遠しいと思えるように 第4章 団体交渉—ホンモノの労使対等を目指して 第5章 争議行為—“闘わずして勝つ”を最上として 第6章 救済申し立て—自分でできればさらに効果テキメン 第7章 弁護士にビビるな! 第8章 敵の中に味方をつくれ 第9章 個人加盟で闘う 第10章 外国人労働者からのSOS 第11章 内部告発—告発者の居場所と心を守る 第12章 労働相談に見る“名ばかり組合”の実態 第13章 組合運営と専従としての心構え おわりに 〈著者略歴〉 鈴木一(すずき・はじめ) 1954年、北海道札幌市生まれ。トラックとバスの運転手を経て、札幌地域労組専従。1990年から書記長を務め、定年を迎えた2014年より副委員長を務める。様々な技を駆使して労働相談を組合結成へとつなぎ、手掛けた組合結成数は日本のコミュニティユニオンの中で最多に達した。労働運動に貢献した人物に贈られる山田精吾賞の第1回を現職唯一で受賞し、「日本三大オルグ」の一人として現在も活動中。趣味は楽器演奏、鉄道旅行、映画鑑賞など。 〈新聞・雑誌等で紹介されています!〉 11月2日「朝日新聞」北海道版 インタビュー記事 11月8日「北海道新聞」道南版夕刊 大人のブックガイド 11月15日「財界さっぽろ」インサイドレポート 11月15日「北海道自治研」散射韻 11月30日「北海道新聞」北海道版 ひと2022 12 月1日「労働法学研究会報」introduction 12月9日「北海道新聞」北海道版夕刊 コラム
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ふぞろいなキューリと地上の卵 ——〈無肥料・無農薬〉の野菜と卵を100キロ離れた札幌に宅配する北海道豊浦町の農家のおじさんのはなし
¥1,650
これがみんな喜ぶSDGsな農業だ! 北海道豊浦町で始まった安全・安心でウマイ野菜と有精卵の農家自身による共同宅配サービス。そのノウハウとそれができるまでの涙と笑いのノンフィクション! 全国の小規模農家と〈SDGsな食と農〉を応援したい人たちが待ち望んでいた本! 目次より プロローグ――消えたオスドリ 僕のセンス・オブ・ワンダー 木村秋則自然栽培農学校 ふぞろいなキューリ、真っすぐなキューリ 卵のないタマゴ屋さん 魔法の薬 鶏の餌 一個の角砂糖 1000年の牛 野生の証明 ファーマーズシップ農業 僕の動的平衡 恋するタマゴ 牛乳の未来 食べる生命力 アイヌモシリ アクシデント再び 見える敵、見えない敵 新しい相棒 審判の日 持続可能農業への挑戦 エピローグ――オスドリが鳴いた [著者紹介] 駒井一慶(こまい・いっけい) 1951年北海道豊浦町生まれ。酪農学園短期大学卒業後、家業の酪農業に従事する2000年に「こまい牧場の牛乳」の製造・販売を始めるも2007年に牧場・ミルクプラントを閉鎖。2008年から養鶏業を始め、有精卵『恋するタマゴ』を販売すると同時に、農家による共同宅配サービスも行う。現在、農業生産法人ドリームファーム・プロジェクト代表取締役。野菜宅配サービス「ふぞろいなキューリ・アソシエイツ」主宰。著書に『安全な卵の見分け方』『牛とキャッチボール』(共に中西出版〔電子出版〕)。「ふぞろいなキューリ」のウェブサイト:fuzoroinaqri.wixsite.com/home
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朝鮮人「徴用工」問題を解きほぐす――室蘭・日本製鉄輪西製鉄所における外国人労働者「移入」の失敗
¥2,090
「外国人労働者問題」は80年前から起きていた―― なぜ「徴用工」訴訟が起きるのか? そもそも朝鮮人労働者が北海道や九州にきたのはなにゆえなのか? 「徴用工」問題を解きほぐして見えてきた、今の「外国人労働者問題」につながるこの国の〈労働政策の失敗〉と〈未払い金の総額〉。地道な検証作業で複雑な問題をわかりやすく《見える化》した本。 〔目次〕 序章 朝鮮人労働者――いわゆる「徴用工」とは 第1章 室蘭で死んだ10代の「徴用工」の少年たち 第2章 日本製鉄輪西製鉄所の誕生 第3章 戦時体制下の労働のあり方 第4章 朝鮮人労働者の集団移入計画 第5章 日本にきた朝鮮人労働者の状況 第6章 軍需産業に組み込まれた朝鮮人労働者 第7章 朝鮮人労働者はどのように管理されたか 第8章 「産業戦士」にされる朝鮮人労働者 第9章 「徴用工」を働かせる労務管理者の訓練 第10章 敗戦と朝鮮人労働者の解放 第11章 「未払い金」をめぐる日本政府の対応 第12章 GHQが管理した北海道における「未払い金」 第13章 北海道から韓国へ――遺骨返還の旅 終章 徴用工裁判と日本企業の責任 著者略歴(きむら・かよこ) 北海道生まれ、静岡県・新潟県育ち。1990年からフリーライターとして東京で女性誌や情報誌などに携わる。ロンドン・パリでの活動を経て、現在、札幌を拠点に社会問題を取材し、雑誌・機関誌・英字新聞などに執筆している。
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精神保健福祉の実践――北海道十勝・帯広での五〇年
¥2,200
小栗静雄著 「へぐり語録」編集委員会編 「精神障害者」と呼ばれる人たちとどう向き合ってきたか――。「精神保健福祉士」(PSW)という国家資格ができる前から精神保健福祉の先進地・北海道十勝地方で精神科ソーシャルワーカーとして奔走してきたベテランPSWの〈へぐりさん〉が、自問自答しながらその波乱に満ちた半生を振り返った、対人福祉援助に関わる人必読の本です。PSW7仲間による、さまざまな現場で役立つ〈へぐり語録〉も収録。 【目次より】 [第一部]精神科ソーシャルワーカー五〇年……小栗静雄 第1章 新人ワーカーの苦悩と十勝の先進性 ●入院者の日常に衝撃を受ける ●精神障害者処遇の黒い歴史を垣間見る ●暴力装置とも言われる強制的入院 ●屋根裏部屋の崩壊家族 ●前代未聞のリクリエーション――病棟でのストリップショー 第2章 越境するソーシャルワーカー ●「Y問題」から導き出された「札幌宣言」とは ●日本の精神医療はどうなってる ●ある悪しき精神病院のこと ●寝耳に水の病棟閉鎖、昼休みのビラ配り 第3章 社会の中のソーシャルワーカー ●ケアマネ連携の不自由 ●セルフプランはどうあるべきか ●ソーシャルワークの踏み絵――情報管理 ●精神障害に関わる新聞報道について ●インフォームド・コンセントとは何か――COMLから学ぶ 第4章 ソーシャルワークは終わらない ●私の家庭――貧困と粗暴な兄弟の中で ●留年と授業ボイコットの高校時代 ●「やどかりの里」の谷中輝雄さんとの思い出 ●「どうして逃げてばかりいるんだよ! アンタは!」 [第二部]仲間が紡ぐ「へぐり語録」……北海道十勝の保健師/坪井一身/大辻誠司/今井博康/黒木満寿美/栗野明子/三品斉 A5判並製240頁(2021年6月30日刊行予定)
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世界のひきこもり
¥1,980
ぼそっと池井多著 いじめ、うつ病、虐待、貧困……共通因子が見えてくる、ひきこもり歴35年の著者によるネットを通じた驚天動地の対話集。ひきこもりは日本特有の現象でも〈甘え〉によるものでもなかった!? 世界13カ国の当事者の声を聞け。 【目次】 ●はじめに――地面を掘って国境を越える ●フランスのひきこもりギードの場合……「ぼくは孤独が好きなんだ。パソコン、ベッド、安らぎがあれば十分さ。」 ●フランスのひきこもりテルリエンヌの場合……「ひきこもりになんて、なりたくなかった。」 ●中国のひきこもり ●アメリカの元ひきこもりショーン・Cの場合……「“伝統的な男性性”をぼくに期待するパパは敵だと思った。」 ●アレゼンチンのひきこもりマルコ・アントニオの場合……「いじめる側を擁護する学校なんてごめんだ。」 ●インドのひきこもり ●インドの元ひきこもりニティンの場合……「私たちは自分自身になるために少し時間が必要なだけなのです。」 ●イタリアの社会心理学者マルコ・クレパルディとの対話……「彼らを助けたい、いや、『ぼくら』を助けたいのです。」 ●父との最後の電話 ●パナマ共和国のひきこもりヨスーの場合……「ぼくはゴミだ。カスだ。負け犬だ。このままでは死んでしまう。」 ●フランスのひきこもりアエルの場合……「ひきこもりになってぼくはようやく自分を生き始めた。」 ●スウェーデンのひきこもり ●バングラデシュのひきこもりイッポの場合……「ぼくは自分で自分を部屋に監禁するようになったのさ。」 ●フィリピンのひきこもりCJの場合……「日本のひきこもりはなんて恵まれているんだ!」 ●カメルーンの元ひきこもりアルメル・エトゥンディの場合……「解決や成功を得る場所は、“社会”の中だけとは限らない。」 ●北朝鮮のひきこもり ●フランスのひきこもりジョセフィーヌの場合……「醜くて、軽蔑に値して、病的であるのは社会の方よ。」 ●台湾の映画監督盧德昕との対話……「ひきこもりにとって理想的な世界はどんなものですか。」 ●おわりに――ひきこもりのインタビュー論 【著者略歴】 1962年、横浜生まれ。東京都下在住。ひきこもり当事者や経験者の声を発信するメディア「ひきポス」の編集委員。 大学卒業を目前に控えた就職活動中にひきこもり始め、以後、形態をさまざまに変えながら断続的に35年ひきこもっている。 2017年、世界ひきこもり機構(GHO)を創設。近年は、長期化・高齢化したひきこもり当事者とともに、家族の語らいの場「ひ老会」や「ひきこもり親子公開討論」を主催している。 四六判並製288頁(2020年10月30日発行)
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アカデミック・ハラスメントの解決
¥2,200
北仲千里 横山美栄子 四六判 192頁 並製/定価:本体2000円+税〔税込2200円〕 ISBN978ー4ー909281ー00ー5 C0037 発売日 2017年8月 理不尽な叱責や差別的発言、ネグレクト、長時間の実験の強要、不適切なオーサーシップによる研究成果の横奪……。広島大学ハラスメント相談室の相談員二人が大学や研究機関で起こっているさまざまな問題を取り上げ、具体的に解決するための方法を明かす。 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 〈目次〉 はじめに 第1章 アカデミック・ハラスメントとは何か 第1節 言葉の整理─キャンパス・ハラスメント、パワー・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント 対策の法令はセクハラのみ 「相手が不快ならパワハラ?」ではない 強い叱責ばかりがパワハラ/アカハラではない 「加害」がなくても「被害」は起きうる 第2節 アカデミック・ハラスメントの世界 アカハラ問題をとくに掘り下げる意義 処分事由の変化 処分報道の例 第3節 教員の学生に対するアカデミック・ハラスメント 特徴① 尊敬や期待が裏切られるとき 特徴② 専門教育における教員の立場の強さ 特徴③ キャンパスの外にまで及ぶ教員の社会的影響力 第4節 研究者同士のアカデミック・ハラスメント 特徴① 相互評価による学会/学界運営 特徴② キャリアに長く影響を及ぼす 第5節 アカデミック・ハラスメントと向き合う 問題があることを直視しよう 良識ある大学人による「基準」づくりをしよう アカハラが起こる背景を見直そう 第6節 アカデミック・ハラスメントの具体例 学生の不幸─尊敬できない教員 研究室でのハラスメントやいじめ 研究者同士のハラスメントやいじめ コラム 研究者世界のピラミッド 第2章 相談員は見た! 知られざる学問研究の世界 第1節 学問分野のサブカルチャーとアカデミック・ハラスメント 研究中心の大学と教育中心の大学 研究文化の違い 第2節 理系のアカデミック・ハラスメント チームで行われる研究と教育 「発表せよ、さもなくば滅びよ」 典型例① ブラック研究室の「ピペド」 典型例② 長時間労働が当たり前 典型例③ 強い叱責、追い詰め 第3節 オーサーシップと研究倫理問題 誰が著者? オーサーシップ問題は「微妙な問題」の象徴 国際基準のルールはあるけれど 研究不正とアカハラの深い関係 第4節 教授がとても「偉い」ところ 小講座制が生んだピラミッド組織 「教授独裁型」という悪夢 小講座制は絶対悪? 第5節 医歯学部の医局講座制 医学部教授がとくに「偉い」理由 「医局」という不思議なシステム 万年助教の存在はハラスメント!? 第6節 文系でのアカデミック・ハラスメント 文系の研究スタイル ディープな関係、マインド・コントロール コラム 教育中心の大学でのハラスメント 第3章 アカデミック・ハラスメントへの対応 第1節 ハラスメント相談員の役割 被害の意味づけをする そこから抜け出す方法を考える 責任者に関係調整・環境調整の依頼をする 解決するまで面談を継続する 第2節 解決までのステップ1「助言・情報提供」 相談者自身で解決を図る 二次被害への怖れ 第3節 解決までのステップ2「通知」─行為者への注意・警告 通知パターン① 行為者に対する聴き取りを行った上で通知する 通知パターン② 簡単な事実確認だけをして通知する だれが「通知」をするか 通知を行う上で注意するべきこと 第4節 解決までのステップ3「調整」─人間関係や環境の改善 調整パターン① 相談者と行為者の引き離し 調整パターン② 上司や同僚、相談員による監視(モニタリング) 調整パターン③ 行為者による謝罪 調整パターン④ 当事者間での話し合いの援助(調停) 第5節 解決までのステップ4「苦情申し立て」 事実調査の進め方 調査に入る前に準備しておくこと 行為者に通知するとき 調査期間中の配慮 事情聴取の際の配慮 事実調査後の対応 結論が出るまでの期間 処分が決まったら─当事者への通知と処分の公表 第6節 再発防止のための取り組み─経験から学ぶ ほかにも被害が隠れていないかどうか調べる 実際に起きた事例をもとに啓発・教育・研修をする コラム 弁護士を活用する 第4章 ハラスメントをなくすために大学が取り組むべきこと 第1節 大学という組織固有の難しさ 自治の原則が閉鎖性を生む ハラスメントは大学のガバナンス問題 第2節 ハラスメントが起きにくい「体質」をつくる ハラスメントが起こりやすい組織 アクセスしやすい相談窓口 スキルのある専任の相談員をおく 大学間の環境の格差 第3節 研究不正にかかわるハラスメントにどう取り組むか 研究不正とハラスメントの関係 研究不正の起こりにくい土壌をつくる ローカルルールを超えて コラム 外部相談のメリットとデメリット アカデミック・ハラスメントに関する資料 大学院生の教育・研究環境に関するアンケート調査票の例 広島大学ハラスメント相談室規則 広島大学におけるハラスメントの防止等に関する規則 広島大学におけるハラスメントの防止等に関するガイドライン おわりに —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 〈著者略歴〉 北仲千里(きたなか・ちさと) 1998年、名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。1997年ごろより「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク」設立にかかわる。2007年から広島大学ハラスメント相談室准教授。NPO法人全国女性シェルターネット共同代表。NPO法人性暴力被害者サポートひろしま代表理事を務める。共著に『身体、性、生—個人の尊重とジェンダー』(尚学社)などがある。 横山美栄子(よこやま・みえこ) 1992年、お茶の水女子大学大学院博士課程単位取得後退学。2004年から広島大学ハラスメント相談室教授、2005年から同相談室室長。NPO法人福岡ジェンダー研究所理事、NPO法人アジア女性センター理事、広島県情報公開・個人情報保護審査会委員、広島市ハラスメント対策委員を務める。共著に『そこが知りたい!パワハラ対策の極意』(西日本新聞社)などがある。
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