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2月1日早朝、ミャンマー最後の戦争が始まった。
¥2,200
〈漫画で知るミャンマーの軍事クーデターと民衆の闘いのリアル〉 2021年に起きて現在も続いているミャンマーのクーデターを、フランスのジャーナリストと台湾で注目されている若手漫画家がタッグを組んで繊細かつ力強い筆致で描き、世界各地の人々の心を動かした作品です。訳者による解説と年表、各地の在日ミャンマー人から寄せられたコメント付き。 脚本 フレデリック・ドゥボミ 作画 ラウ・クォンシン 翻訳 ナンミャケーカイン 2024年10月刊 B5判/並製/116頁 本体2000円+税〔税込2200円〕 ISBN 978-4-909281-63-0 C0931 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 日本の読者のみなさんへ キーワード #歴史は繰り返す #自由の味 #立ち上がれ #ミルクティー同盟 #チェーズン #テロリスト #国境地帯での弾圧 #団結 #孤軍奮闘1 #孤軍奮闘2 #Everything Will Be OK 参考資料 年表 最後の闘いは日本でも——在日ミャンマー人の方々からメッセージ —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 脚本 フレデリック・ドゥボミ 1975年生まれ。パリの郊外出身。2006年よりInfo Birmanie、Euro Burma Networkなど、ミャンマー民主化運動を支持する組織に所属し、広報・支援活動を始めた。執筆したミャンマー情勢に関する書籍、漫画は十数冊に及び、ルワンダ・ツチ族に対する民族浄化問題に関する著作も発表している。 作画 ラウ・クォンシン 香港生まれ。幼少期を京都で過ごす。9歳で家族とともに中国に渡るも、1年足らずで香港に戻る。香港中文大学で芸術を専攻し、2019年に民主化運動が激化するとデモに参加し、警察に立ち向かう市民を描いたが、2020年に反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法の成立を受け、台湾へ移住した。主な漫画作品に、香港の民主化運動を描いた『被消失的香港』、1970年代の台湾民主化運動における女性差別を描いた小説をコミカライズした『北港香爐人人插』がある。 翻訳 ナンミャケーカイン ミャンマー出身。1989年12月来日。ミャンマーと日本をともに母国として捉えている。立命館大学で博士(国際関係学)取得後、東京外国語大学で外国人特別研究員を務めた。2005年度より東京外国語大学をはじめ関東周辺にある様々な大学で非常勤講師として教える傍ら、通訳・翻訳も数多くこなす。最近は、在日ミャンマー人の研究と、タイに逃れている避難民に関する研究をしている。2021年度より京都精華大学特任准教授。
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北海道大学もうひとつのキャンパスマップ——隠された風景を見る、消された声を聞く
¥1,760
※ポプラ並木やクラーク博士は載ってません アイヌコタン、植民地主義、軍事研究…… 札幌のド真ん中に位置する“観光名所”北海道大学札幌キャンパスには、大学が積極的に語ろうとしない〈歴史〉がある—— 有志教員と学生が外部の研究者にも協力を仰いで完成させた、北大の知られざるもうひとつの歴史ガイド。 「開拓150年」「ウポポイ開設」「オリンピック招致」に湧く今こそ身につけておきたい、これからの北海道を考えるうえで重要な視点の詰まった一冊。 北大ACMプロジェクト 編 2019年6月刊[初版] 2024年6月刊[第2版] 四六判/並製/208頁 本体1600円+税〔税込1760円〕 ISBN 978-4-909281-15-9 C0026 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 [I かつての風景を想像してみる] あるアイヌ遺骨のふるさと⋯⋯小田博志 コトニ・コタンと琴似又市氏⋯⋯谷本晃久 恵迪寮の地下に眠る農耕集落⋯⋯高瀬克範 植物園の竪穴住居跡⋯⋯高瀬克範 アイヌ音楽に影響を受けた伊福部昭⋯⋯前川公美夫 [II 北大の植民地主義を考える] 1015人が眠るアイヌ納骨堂⋯⋯植木哲也 佐藤昌介の植民学講座⋯⋯番匠健一 林善茂によるアイヌ差別講義事件⋯⋯植木哲也 「国際社会」における新渡戸稲造⋯⋯小山田伸明 新渡戸稲造と植民地台湾の農民⋯⋯張易臻 古河講堂と足尾銅山鉱毒事件⋯⋯小田博志 古河講堂「旧標本庫」人骨放置事件⋯⋯井上勝生 開拓使仮学校と東京イチャルパ⋯⋯関口由彦 [III 北大と戦争の関わりを知る] 大本営門標と行在所門標⋯⋯阿知良洋平 スパイに仕立て上げられた北大生と英語教師⋯⋯立木ちはや 北大工学部の軍事研究⋯⋯山形定 軍事研究に関する議論を巻き起こした中谷宇吉郎⋯⋯笹岡正俊 憲法裁判と学生に向き合った深瀬忠一⋯⋯前田輪音 [Ⅳ 大学と学問のあり方を問う] 森林科初代教授・新島善直の足跡⋯⋯小池孝良 演研青テント撤去事件——大学の土地・施設利用をめぐる闘い⋯⋯桃井希生 北大初の女子トイレの設置を求めて⋯⋯下郷沙季 大学を開く——アイヌ学/和人学をめざして⋯⋯モコットゥナㇱ 先住民と大学の関係を考える——カナダの事例から⋯⋯近藤祉秋 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編者略歴】 北大ACMプロジェクト 北海道大学の埋もれた歴史を掘り起こし、ACM(オルタナティブ・キャンパス・マップ)を制作するために集まった北大の有志教員と学生のグループ。
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ミャンマーの民主化を求めて——立ち上がる在日ミャンマー人と日本の市民社会[寿郎社ブックレット6]
¥1,210
悪夢のような軍事クーデターから2年—— ミャンマーの歴史や現状を豊富な写真や図表でわかりやすくまとめ、全国各地の在日ミャンマー人や日本の支援者の奮闘ぶりを記録した、類書のない貴重な一冊。 玄武岩・藤野陽平・下郷沙季 編著 2023年3月刊 A5判/並製/104頁 本体1100円+税〔税込1210円〕 ISBN 978-4-909281-47-0 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに⋯⋯玄武岩(北海道大学大学院教授) 【第1部 ミャンマーで起きていること】 一九八八年と二〇二一年のミャンマー民主化運動 ナンミャケーカイン(京都精華大学特任准教授) 国民統一政府の世界的ネットワークと少数民族の状況 ソーバーラティン(NUG駐日代表・在日カレン民族連盟幹部) “民主主義の味”を忘れない ——海外に暮らすミャンマー人による「市民的関与」 キンゼッヤミン(国際ミャンマー学者・専門家協会理事) 【第2部 在日ミャンマー人の奮闘】 [北海道からの活動報告] 苦しくても、ミャンマーの子どもや若者のことを思えば トゥン(Myanmar Youth Association Hokkaido代表) [静岡からの活動報告] 地域の“日本人サポーター”とともに キンヤダナソー(ShizuYouth for Myanmar代表) [沖縄からの活動報告] ミャンマーと沖縄の文化を愛しながら トウヤソウ(在沖縄ミャンマー人会事務局長) 【第3部 連帯する日本の人々】 ミャンマーでカレーを作っていたらクーデターが起きた! 保芦宏輔(ミャンマー料理研究家) 全国各地での多様な活動と“キーボードファイター”による革命支援 藤田哲朗(ミャンマーの今を伝える会創設者) 民主化運動による人々の変化と非当事者にできること 石川航(日本ミャンマーMIRAI創造会日本側代表) 【第4部[座談会]グローバル時代の国家暴力——東アジアの経験を手がかりにして】 ナンミャケーカイン(京都精華大学特任准教) 玄武岩(北海道大学大学院教授) 藤野陽平(北海道大学大学院准教授) おわりに⋯⋯下郷沙季(北海道大学学術研究員) —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編著者略歴】 玄武岩(ヒョン・ムアン) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。メディア文化論、日韓関係論。著書に『「反日」と「嫌韓」の同時代史——ナショナリズムの境界を越えて』(勉誠出版、 2016年)、『〈ポスト帝国〉の東アジア——言説・表象・記憶』(青土社、2022年)、共著に『新たな時代の〈日韓連帯〉市民運動』(寿郎社、2021年)などがある。 藤野陽平(ふじの・ようへい) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。専門は文化人類学。著書に『台湾における民衆キリスト教の人類学——社会的文脈と癒しの実践』(風響社、2013年)、共著に『モノとメディアの人類学』(ナカニシヤ出版、2021年)、『台湾で日本人を祀る——鬼から神への現代人類学』(慶應義塾大学出版会、2022年)などがある。 下郷沙季(しもごう・さき) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院学術研究員。共著に『北海道大学もうひとつのキャンパスマップ——隠された風景を見る、消された声を聞く』(寿郎社、2019年)がある。
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《世界》がここを忘れても——アフガン女性ファルザーナの物語
¥1,980
9.11後のNATO侵攻、タリバン政権の崩壊と混乱、そしてISの台頭…… 激動のなか、それでも国内で暮らし、あるいは難民キャンプで生活せざるをえなくなったアフガンの人々。とりわけ、虐げられてきた女性たちは、その後どうなったのでしょうか? 日本の「RAWAと連帯する会」代表の著者が現地での活動を通して知り合ったアフガンの女性たちから聞いた話を「ファルザーナ」という一人の大学生のストーリーに再構成し、美しい絵とともに紹介する〈解説付き絵本〉を制作しました。 清末愛砂 文 久保田桂子 絵 2020年2月刊 四六判/上製/88頁 本体1800円+税〔税込1980円〕 ISBN 978-4-909281-26-5 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【あらすじ】 パキスタンのアフガン難民キャンプで生れた大学生のファルザーナは、家族とともに、アフガニスタンの首都・カーブルで暮らしています。先進的な考えを持つ母や恩師の影響を受けて育った彼女の将来の夢は「弁護士になって、苦しんでいる女性を助ける」ということ。学校帰りには弁護士のレハナ先生の事務所に寄って、そこへ駆け込んでくる女性たちと接し、記録を取るボランティアをしています。しかし、女性に教育は不要と考える風潮や多発する自爆テロを受けて、親友のナーディアは学校に通うことが難しくなっていき……。 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 1972年生まれ。室蘭工業大学大学院工学研究科准教授。専門は、憲法学、家族法。主な著書に『自衛隊の存在をどう受けとめるか』(共編著、現代人文社、2018年)他多数。「RAWAと連帯する会」代表。
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ペンとミシンとヴァイオリン——アフガン難民の抵抗と民主化への道
¥1,650
どれほど過酷な環境にあっても教育こそが社会を変える——。憲法学・家族法とアフガニスタンのジェンダーに基づく暴力を研究する著者が見た、ペン(識字教育)とミシン(職業訓練)とヴァイオリン(芸術教育)の力で闘う、アフガニスタン女性革命協会(RAWA)などのエンパワメントの記録(写真集)。 清末愛砂 著 2020年8月刊 四六判/並製/100頁(カラー50頁) 本体1500円+税〔税込1650円〕 ISBN 978-4-909281-27-2 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 RAWAを訪ねる旅へ 第1章 難民キャンプを歩く 〈Iー11キャンプ〉〈バレリーキャンプ〉〈SAAJS〉 第2章 ヘワド高校の自由のための教育 第3章 分断された街ペシャーワル 第4章 首都カーブルの風景 第5章 学びを通した女性のエンパワメント 〈OPAWC〉〈HAWCA〉 第6章 AFCECOの子どもの夢と生活 哀れみの涙ではなく、ともに闘う勇気を —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 1972年生まれ。山口県出身。室蘭工業大学大学院工学研究科准教授。専門は、憲法学、家族法、アフガニスタンのジェンダーに基づく暴力。「RAWAと連帯する会」共同代表。
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朝鮮人「徴用工」問題を解きほぐす——室蘭・日本製鉄輪西製鉄所における外国人労働者「移入」の失敗
¥2,090
「外国人労働者問題」は80年前から起きていた—— なぜ「徴用工」訴訟が起きるのか? そもそも朝鮮人労働者が北海道や九州にきたのはなにゆえなのか? 「徴用工」問題を解きほぐして見えてきた、今の「外国人労働者問題」につながるこの国の〈労働政策の失敗〉と〈未払い金の総額〉。地道な検証作業で複雑な問題をわかりやすく《見える化》した本。 木村嘉代子 著 2021年8月刊 四六判/並製/212頁 本体1900円+税〔税込2090円〕 ISBN 978-4-909281-37-1 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 序章 朝鮮人労働者——いわゆる「徴用工」とは 第1章 室蘭で死んだ10代の「徴用工」の少年たち 第2章 日本製鉄輪西製鉄所の誕生 第3章 戦時体制下の労働のあり方 第4章 朝鮮人労働者の集団移入計画 第5章 日本にきた朝鮮人労働者の状況 第6章 軍需産業に組み込まれた朝鮮人労働者 第7章 朝鮮人労働者はどのように管理されたか 第8章 「産業戦士」にされる朝鮮人労働者 第9章 「徴用工」を働かせる労務管理者の訓練 第10章 敗戦と朝鮮人労働者の解放 第11章 「未払い金」をめぐる日本政府の対応 第12章 GHQが管理した北海道における「未払い金」 第13章 北海道から韓国へ——遺骨返還の旅 終章 徴用工裁判と日本企業の責任 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 木村嘉代子(きむら・かよこ) 北海道生まれ、静岡県・新潟県育ち。1990年からフリーライターとして東京で女性誌や情報誌などに携わる。ロンドン・パリでの活動を経て、現在、札幌を拠点に社会問題を取材し、雑誌・機関誌・英字新聞などに執筆している。
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新たな時代の〈日韓連帯〉市民運動[寿郎社ブックレット4]
¥1,100
国家間の関係が最悪の今こそ、市民による「日韓連帯」の共同体験を体験を掘り起こし、バージョンアップさせることで、政治権力に翻弄されない新たな関係を構築する——。ナショナリズム、レイシズムの暗雲をはねのけ、新たな「日韓連帯」の可能性を、日韓関係の研究者・交流事業の実践者たちがさまざまな角度から探った論考集。 玄武岩・金敬黙 編著 2021年3月刊 A5判/並製/96頁 本体1000円+税〔税込1100円〕 ISBN 978-4-909281-33-3 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第一部 問題提起 1970年代から80年代の「日韓連帯運動」から考える「連帯」のあり方⋯⋯李美淑 「日韓連帯」の再検討に必要な視点とは何か⋯⋯金敬黙 被害者的優越意識から脱して「日韓連帯」のバージョンアップを⋯⋯玄武岩 第二部 現場からの報告 「日韓誠信学生通信使」の成果と可能性⋯⋯小田川興 「南北コリアと日本のともだち展」における日韓NGOの経験⋯⋯寺西澄子 枝川朝鮮学校でのアートイベントとその後——コミュニティの越境を目指して⋯⋯明石薫 第三部 座談会⋯⋯玄武岩/金敬黙/李美淑/小田川興/寺西澄子/明石薫 おわりに —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【編著者略歴】 玄武岩(ヒョン・ムアン) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究員教授。メディア文化論、日韓関係論。著書に『コリアン・ネットワーク——メディア・移動の歴史と空間』(北海道大学出版会、2013年)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史——ナショナリズムの境界を越えて』(勉誠出版、2016年)など。 金敬黙(キム・ギョンムク) 早稲田大学文学学術院教授。早稲田大学韓国学研究所・所員、アジア研究所・所長。平和研究、アジア研究、トランスナショナル市民社会論を研究・活動領域としている。編著書に『越境する平和学』(法律文化社、2019年)など。
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日本の歩みを強く危惧する——93歳原爆体験者からの訴え
¥1,650
〈憎悪〉ではなく〈和解〉のために 明治以来、日本はアジアの近隣諸国に多大な加害を及ぼしながら、戦後、その責任の取り方が極めて不十分であった。そのため〈和解〉が未だできずにいる。特に安倍政権は過去を正当化し、米国の軍事力への依存を強め、近隣諸国との〈対立〉を激化させている。 今、日本はどのような道を進むべきなのか——。 広島で被爆し、肌で十五年戦争を知る最後の世代からの全身全霊のメッセージ。 玖村敦彦 著 2019年9月刊 四六判/並製/156頁 本体1500円+税〔税込1650円〕 ISBN 978-4-909281-17-3 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 まえがき Ⅰ 改訂版 私の昭和二〇年八月一五日とその前後/皇国史観とそれに関連するいくつかのこと/うた草稿——戦争を想起して八五歳頃詠んだ八首/二〇一八年に送付した手紙1/二〇一八年に送付した手紙2 Ⅱ 〔講演〕岐路に立つ日本——日本会議の主張する道を進むか、それと対極的な道を進むか?/「日中の和解を庶民の立場から考える会」での発言から Ⅲ 戦中派・戦後派の多くの皆さんへ/第二次大戦後の加害責任の取り方における日・独の違い/日本が殺害した人々の追悼施設を作ろう/沖縄の人々のことをわが身のこととして考えよう Ⅳ 『改訂版 かえりみる日本近代史とその負の遺産』について/日本は核兵器の廃絶さらに世界平和の実現を目指そう あとがき —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 玖村敦彦(くむら・あつひこ) 1926年(大正15年)山口県生まれ。札幌市在住。少・青年期を広島市で過ごす。1945年8月、旧制広島高等学校2年の時、原爆を体験する。同校卒業後、東京大学農学部農学科に進学し、卒業後は農学科農学第二講座(作物学研究室)に残り、光合成を中心として作物の生理・生態を研究するほか、耕地の炭素循環を生態系生態学の視点から解析。定年後、東京大学名誉教授。1986〜95年、国士舘大学教授。 80歳ごろより戦争・原爆の記憶から日本の近代史に強い関心を持つようになる。歴史関係の著書に『改訂版 かえりみる日本近代史とその遺産』(寿郎社)がある。
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「慰安婦」問題の境界を越えて——連合国軍兵士が見た戦時性暴力、各地にできた〈少女像〉、朝日新聞と植村元記者へのバッシングについて[寿郎社ブックレット3]
¥880
連合国軍兵士が見た戦時性暴力、各地にできた〈少女像〉、朝日新聞と植村元記者へのバッシングについて、北海道大学で行われたシンポジウムをまとめたブックレット。「慰安婦」問題の入り組んだ状況を解きほぐす。 テッサ・モーリス‐スズキ/玄武岩/植村隆 著 2017年7月刊 A5判/並製/108頁 本体800円+税〔税込880円〕 ISBN 978ー4ー909281ー03ー6 C0036 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 アジア太平洋戦争における日本軍と連合国軍の「慰安婦」⋯⋯テッサ・モーリス‐スズキ 「慰安婦」の新たな側面に光をあてる 連合国軍兵士の証言 インドの収容所の「慰安婦」 「公的史料は存在しない」論の意味 口述証言は信用できない? 中国とビルマの「慰安婦」 東南アジアの「慰安婦」 「慰安婦」のやさしさ 報酬に関する証言 オーストラリアの従軍画家の証言 イギリス士官、アメリカ情報局員の証言 「地獄の旅」 解放された「慰安婦」たちは 戦時性暴力研究の第一歩を 質疑応答 「想起の空間」としての「慰安婦」少女像⋯⋯玄武岩 少女像を訪れる人々 少女像への批判 植民地支配の記憶、反日ナショナリズムの象徴 少女像は「慰安婦」ではない? 碑石から少女の姿へ 集合的記憶の結晶 『帝国の慰安婦』の少女像批判 抵抗ナショナリズムの化身 誰の記憶か? すべては反日ナショナリズムへ 拡散する少女像 少女像のバリエーション 元「慰安婦」の絵 アートへの影響 記憶の破壊 カノン化する少女像 記憶と歴史、想起と忘却 少女像のリアリティ 少女像はどこへ トランスナショナルな「想起の空間」へ 終わらない「少女」の物語 ベトナムのピエタ像 戦時性暴力の罪を問う 少女像を見つめ返して 歴史修正主義と闘うジャーナリストの報告——朝日バッシングの背後にあるもの⋯⋯植村隆 二三年前の記事 元「慰安婦」女性の記者会見 五〇年の沈黙を破って 「週刊文春」で「捏造」と書かれる 産経新聞と読売新聞 「捏造」が否定されても 止まらないバッシング ニュース23の岸井発言 娘への脅迫 広がる応援メール 「無実」を証明するため 歴史修正主義の標的に アメリカへ講演に 海外の日本研究者が声明 河野談話の継承発展を ディスカッション「慰安婦」問題と越境する連帯⋯⋯テッサ・モーリス‐スズキ、玄武岩、植村隆、司会・水溜真由美 インタビュアーの無関心 『帝国の慰安婦』の評価 朝日・植村バッシングの背景 少女像の影と椅子 元ハンギョレ新聞記者からの問い 朝日の萎縮と沈黙 過去と現在をつなぐ像 韓国における記憶の継承 和解への誤解 日韓合意を越えて グローバルなつながりへ 日韓以外の取り組み あとがき —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 テッサ・モーリス‐スズキ(Tessa Morris‐Suzuki) 1951年イギリスサリー州ケーターハム生まれ。オーストラリア研究会議特別フェロー、オーストラリア国立大学特別栄誉教授。著書に『辺境から眺める——アイヌが経験する近代』(みすず書房、2000年)、『北朝鮮へのエクソダス——「帰国事業」の影をたどる』(朝日文庫、2011年)、『批判的想像力のために——グローバル化時代の日本』(平凡社ライブラリー、2013年)、『過去は死なない——メディア・記憶・歴史』(岩波現代文庫、2014年)、共著に『天皇とアメリカ』(集英社新書、2010年)、『海を渡る「慰安婦」問題——右派の「歴史戦」を問う』(岩波書店、2016年)他多数。 玄武岩(ヒョン・ムアン) 1969年生まれ、韓国済州島出身。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。著書に『韓国のデジタル・デモクラシー』(集英社新書、2005年)、『統一コリア——東アジアの新秩序を展望する』(光文社新書、2007年)、『コリアン・ネットワーク——メディア・移動の歴史と空間』(北海道大学出版会、2013年)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史——ナショナリズムの境界を越えて』(勉誠出版、2016年)、共著に『興亡の世界史18——大日本・満州帝国の遺産』(講談社、2010年)、『サハリン残留——日韓ロ百年にわたる家族の物語』(高文研、2016年)など。 植村隆(うえむら・たかし) 1958年高知県生まれ。元朝日新聞記者、韓国カトリック大学客員教授。2014年3月朝日新聞社を早期退職、2010年4月早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(博士後期課程)入学。2012年4月より16年3月まで北星学園大学非常勤講師。著書に『真実——私は「捏造記者」ではない』(岩波書店、2016年)、共著に『マンガ韓国現代史——コバウおじさんの50年』(角川ソフィア文庫、2003年)、『新聞と戦争 上下』(朝日文庫、2011年)。
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朝鮮人とアイヌ民族の歴史的つながり——帝国の先住民・植民地支配の重層性
¥2,420
戦時下の北海道で過酷な労働を強いられ逃げた朝鮮人をアイヌの人々は匿い続けた。丹念な調査から見えてきた知られざるマイノリティの歴史。〈近現代アイヌ史〉〈在日コリアン形成史〉に一石を投じる本。 石純姫 著 2017年7月刊 四六判/上製/208頁 本体2200円+税〔税込2420円〕 ISBN 978ー4ー902269ー99ー4 C0021 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 はじめに 第一章 前近代期における朝鮮人とアイヌ 第二章 近代期における朝鮮人とアイヌ 第三章 近代期の朝鮮人労務動員とアイヌ 第四章 記憶の表象の暴力 第五章 先住民支配と植民地主義 第六章 サハリンにおけるアイヌと朝鮮人 第七章 戦後におけるアイヌ民族と朝鮮人 第八章 帝国主義の残滓——忘却の力学 結び 聞き取り資料 あとがき —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 石純姫(ソク・スニ) 1960年東京生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、苫小牧駒澤大学国際文化学部教授。東アジア歴史文化研究所所長。大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。
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ノグンリ虐殺事件——君よ、我らの痛みがわかるか
¥3,300
1950年7月25日——朝鮮戦争の勃発勅語、韓国中部のノグンリ村で米軍による避難民「皆殺し」に巻き込まれ、家族が犠牲になった著者が、自らの苦悩と向き合い残虐な戦争犯罪を告発した衝撃のノンフィクション。 鄭殷溶 著 2008年12月刊 A5判/上製/328頁+口絵4頁 本体3000円+税〔税込3300円〕 ISBN 978ー4ー902269ー32ー1 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【目次】 第1章 壊れた青雲の夢 第2章 避難 第3章 南へ行ってこそ生き残れる 第4章 悲しき邂逅 第5章 二つの顔の米軍 第6章 兵士たちの合唱 第7章 望郷に気をもむ人々 第8章 反撃、そして帰郷 第9章 興南に響き渡った賛美歌 第10章 膠着した戦線 第11章 痛恨の休戦 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 【著者略歴】 鄭殷溶(チョン・ウニョン) 1923年、韓国忠清北道永同にて出生。ソウル・中央大学法学科卒業。忠南警察局公報主任、監察主任、反共連盟忠南支部総務課長を歴任。1999年、米国南カリフォルニア州基督教教会協議会人権賞受賞。韓国基督教教会協議会人権賞受賞。韓国『時事週刊』忠清REVIEW「一九九九忠清の人物」、『東洋日報』「一九九九今年の人物」に選定される。
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