1/1

利尻島から流れ流れて本屋になった

¥1,870 税込

なら 手数料無料の 翌月払いでOK

別途送料がかかります。送料を確認する

¥5,000以上のご注文で国内送料が無料になります。

書店は、故郷だ。
ゴールの見えない多忙で多様な仕事と、ふとした拍子に思い起こされる大切な記憶——
最北の風味豊かなエッセイ集。

書店では文庫担当に始まり、文芸書、新書、地図ガイド、人文書、医学書、児童書と様々なジャンルを転々としてきた。発注をし、品出しをし、多くの取引先の方と商談をし、時にはアルバイトさんの面接や研修、フェアやイベントの企画なんかもしている。とにかくやることが多く、ゴールの見えない仕事だ。休みの日に何もする気にならないのは、その反動なのではないかとさえ思っている。
故郷である利尻島には、年に二回ほど帰省している。今ではもうすっかり「お客様」になってしまった。実家にいると、何もしなくても新鮮な海産物が出てくるし、帰りにはどう考えても一人では消費不可能な量のお土産を持たされる。迷惑な反面嬉しくも思うが、最近では、島を出てからの時間の方が長くなってしまったことに寂しさを覚えている。この先、頻繁に帰ることがなくなっていったら、そこで過ごした記憶も少しずつ消えていってしまうのだろうか。
この数年、そんなことを考えながら家と職場を往復するうちに、自分の中にある変化があった。来店する家族やカップルの会話が聞こえた時。首や腰の痛みに耐えながら品出しをしている時。面接や商談で人と話をしている時。入荷してきた新刊に目を通した時。仕事帰りに何気なく夜空を見上げた時。別にどうってことない瞬間に、ふと故郷の記憶が頭に浮かんでくるのである。(「はじめに」より)

工藤志昇 著
北大路公子 解説

2023年10月刊
四六判/並製/168頁
本体1700円+税〔税込1870円〕
ISBN 978-4-909281-55-5 C0095

—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—

【目次】
はじめに
プロ級ウニ割り少年、大人になる
利尻の夏と天敵たち
北風小僧
そういうモノに私は
拝啓、五郎さん——札幌が近くなりました
やっちという生き方
あの夏、スタルヒン球場で
芝の上のヒーローを目指して
サンバとマエバ
どんと構えて夢の中
日曜日の定説
最果てにて
父の軽トラ
元落ちこぼれ大学生によるPOP講座
黄金のトラック
揺れる日々には空を見る
不要不急で試されて
泣くほど欲しかったモノ
一〇年目の入口で
「子どもの頃から本が好きで」考
おわりに

幻の山——〈解説〉利尻島から流れ流れて本屋になった(北大路公子)

—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—

【著者略歴】
工藤志昇(くどう・しのぶ)
1988年、北海道利尻富士町生まれ。中学卒業後、札幌の高校へ進学。金沢大学文学部卒業後、研究者を志すも挫折して札幌へ戻り、三省堂書店で働き始める。文芸・文庫担当、医書担当、新書担当を経て、現在、児童書・人文書担当。

商品をアプリでお気に入り
  • レビュー

    (0)

  • 送料・配送方法について

  • お支払い方法について

¥1,870 税込

最近チェックした商品
    同じカテゴリの商品
      その他の商品