1/1

近現代アイヌ文学史論〈近代編〉

¥3,190 税込

なら 手数料無料の 翌月払いでOK

別途送料がかかります。送料を確認する

¥5,000以上のご注文で国内送料が無料になります。

アイヌ民族によって書かれた文学(小説・評論・詩歌)のすべてを論じた日本初のアイヌ文学通史——その上巻「近代編」がついに完成。
刺激的な内容と五〇〇ページを越えるボリュームで日本文壇と学会、読書界に波紋を呼ぶこと必至の大著!

須田茂 著

2018年4月刊
四六判/並製/528頁
本体2900円+税〔税込3190円〕
ISBN 978-4-909281-02-9 C0095

—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—

【目次】
はじめに

序章
 一節 「近現代」という時代区分について
 二節 近現代のアイヌ民族における「文学」
 三節 「アイヌ民族」の範囲

第1章 異言語(日本語)の強制と同化教育
 一節 キリスト教によるアイヌ教育
 二節 日本政府のアイヌ教育
 三節 独立系のアイヌ教育
 四節 金成太郎の位置

第2章 樺太からの発信〈その1〉——山辺安之助『あいぬ物語』
 一節 山辺安之助の『あいぬ物語』の梗概
 二節 『あいぬ物語』の出版経緯
 三節 『あいぬ物語』の編集過程
 四節 『あいぬ物語』の文学的評価

第3章 樺太からの発信〈その2〉——アイヌの民俗誌
 一節 『極北の別天地』——バフンケ、アトイサランデ、シベケンニシの声
 二節 千徳太郎治の『樺太アイヌ叢話』
 三節 『樺太アイヌ叢話』について
 四節 『樺太アイヌ叢話』の謎

第4章 武隈徳三郎の『アイヌ物語』とその周辺
 一節 武隈徳三郎の『アイヌ物語』の出版経緯
 二節 『アイヌ物語』の内容と意義
 三節 知られざる武隈の生涯の解明

第5章 知里幸惠の『アイヌ神謡集』——原風景の創出
 一節 知里幸惠の略歴
 二節 アイヌ文学史における業績
 三節 知里幸惠の文学の鉱脈
 四節 『アイヌ神謡集』の波紋
 五節 『アイヌ神謡集』の普遍性

第6章 詩歌人たちの登場——内なる越境の始まり
 一節 違星北斗の文学と思想
 二節 バチェラー八重子の献身
 三節 森竹竹市の詩歌と訴え

第7章 近代後期の言論者たち
 一節 貝澤藤蔵と『アイヌの叫び』(一九三一年)
 二節 貫塩喜蔵(法枕)と『アイヌの同化と先蹤』(一九三四年)
 三節 『蝦夷の光』を舞台とした言論(一九三〇〜三三年)
 四節 辺泥和郎と『ウタリ乃光リ』(一九三二〜三四年)
 五節 川村才登と「アイヌの手記」(一九三四年)

第8章 近代後期のキリスト教系アイヌ文学の系譜——ジョン・バチェラーの弟子たち
 一節 『ウタリグス』(一九二一〜二五年?)
 二節 『ウタリ之友』
 三節 片平富次郎(一九〇〇〜五九年)
 四節 向井山雄(一八九〇〜一九六一年)
 五節 上西与一(?〜一九四四年?)
 六節 知里高央(一九〇七〜六五年)
 七節 山内精二(一九一一〜八五年)
 八節 江賀寅三(一八九四〜一九六八年)

第9章 内なる越境文学としての近代アイヌ文学
 一節 越境文学とは何か
 二節 「内なる越境」とその特徴
 三節 近代日本とアイヌ民族の「内なる越境」
 四節 近代アイヌ文学のテーマとして「同化」と「同化政策」
 五節 近代アイヌ文学の声、再び
 六節 近代アイヌ文学の特徴と意義——結論として

あとがき
主な参考文献
人名索引

—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—

【著者略歴】
須田茂(すだ・しげる)
1958年東京都生まれ。学習院大学法学部政治学科卒。民間企業に勤務する傍ら明治以来の近現代のアイヌ文学を研究し、その成果を「近現代アイヌ文学史稿(一)~(八)」として札幌の同人誌『コブタン』に発表。現在同誌に「現代編」を連載している。北海道文化財保護協会会員。神奈川県川崎市在住。

—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—

【正誤表】
『近現代アイヌ文学史論〈近代編〉』の文中に誤りがありました。お詫びして下記の通り訂正いたします。(著者 須田茂)

●25頁7~11行目
誤 北海道アイヌ協会は、「北海道ウタリ協会」であった一九八〇年から自らアイヌ史編纂に着手し、北海道ウタリ協会アイヌ史編集委員会が『アイヌ史資料集』の発行を逐次開始した。現在までに第一期全八巻〔一九八〇年〕、第二期全七巻〔一九八四年〕が刊行されている。これは主に研究資料としての価値を認められた一次資料を収集・編纂したものである。しかしながらこれはあくまで歴史的資料の収録が中心で、アイヌ民族独自の視点に立った歴史観が示されたものではなかった。また一部の差別的視点が問題となった〔註3〕。」
正 北海道アイヌ協会は、「北海道ウタリ協会」であった一九八二年から自らアイヌ史編纂に着手していたが、紆余曲折を経て、北海道ウタリ協会アイヌ史編集委員会が『アイヌ史 資料編』〔第1巻~第4巻〕及び『北海道アイヌ協会・ウタリ協会 活動史編』〔第5巻〕の発行を逐次開始した。これは主に研究・参考資料としての価値を認められた諸資料・所蔵目録等を収集・編纂したものである。しかしながらこれはあくまで歴史的資料の収録が中心で、アイヌ民族独自の視点に立った歴史観が示されたものではなかった。(*1)

●34頁6~10行目
〔註3〕は削除します。

●48頁4行目
誤 開校した
正 閉校した

●53頁7行目〔 〕内
誤 野村義一『野村義一と北海道ウタリ協会』 
正 竹内渉『野村義一と北海道ウタリ協会』

●88頁7行目(小見出し含む) 
誤 説術者            
正 説述者

●89頁13~14行目(小見出し含む) 
誤 三人の「説述者」はいずれも樺太から北海道への強制移住者で、北海道での不漁続きにより樺太に帰還したという人たちである。
正 全文削除します。(*2)

●89頁17行目~90頁1行目
誤 もうひとりの「説述者」であるシベケンニシについては山辺安之助の一歳年少であり、対雁で日本語を学んだ可能性がある。
正 全文削除します。(*2)

●149頁2行目
誤 知里高央            
正 知里高吉

●164頁7行目 
誤 たち                    
正 だち

●169頁5行目
誤 津島祐子                  
正 津島佑子

●241頁最終行
誤 常任幹事
正 常任監事

●346頁1行目
誤 副会長
正 副理事長

●364頁1~2行目
誤 北海道アイヌ協会の理事に就任
正 北海道アイヌ協会の監事、その後理事に就任

●506頁18行目
誤 野村義一      
正 竹内渉

●521頁(人名索引)
誤 チェフサンマ                
正 チュフサンマ

誤 知里高吉                 
正 149頁を追記
     
誤 知里高央                 
正 149頁を削除

誤 津島祐子                  
正 津島佑子

(*1)北海道ウタリ協会(当時)は河野本道著『アイヌ史資料集』の刊行には関与しておりません。ご指摘ならびにご教示いただきました竹内渉様に感謝いたします。
(*2)削除理由:三人の「説術(述)者」が強制移住者であるとの記述に誤りがあるため。ご指摘いただきましたエンチウ(樺太アイヌ)協会様に感謝いたします。

商品をアプリでお気に入り
  • レビュー

    (0)

  • 送料・配送方法について

  • お支払い方法について

¥3,190 税込

最近チェックした商品
    同じカテゴリの商品
      その他の商品